前々回、前回に引き続き、英国貴族リーズデイル卿の、黒木為禎大将ならびに東郷平八郎提督に初めて会った時の印象記述です。
照れてしまいそうになるくらい、ベタほめしています。
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両者とも、誇らしげな様子は全く見られなかった。
ここで私が強調したいことは、私の日本滞在中に、いろんな階級や職業の多くの日本人と話をしたが、先の日露戦争における輝かしい勝利に関して、それを自慢するかのような言動を一切耳にしなかったということだ。
戦争に至る状況、戦争とその結果を自慢することなく、淡々と冷静に話をする。
これが新しい日本人の、目立った特徴だ。
これは、全世界の人々の模範となるべきものである。
このような謙遜の精神を持って、かかる偉大なる勝利を受け入れられたことは、過去の歴史にその例をみないものである。