
眉毛が濃いのが好きか、薄い方のが好きか。
それこそ、蓼食う虫も好き好きだろう。
ところで、この蓼とは何なのかご存知だろうか。
蓼とは、日本ならあちこちに見られる野草で、代表的なものにイヌタデがある。

イヌタデ
植物名でイヌがつく場合には、大半は食べるには適さないとか、どこにでも見られるありきたりの、あるいは何かに似たのような意味を持っている。
イヌタデにしろタデの多くは、酸っぱさや苦さがきついため、虫にしろそんなものを好きなやつもいるよ。嫌いな虫もいるがな。
といった意味で、十人十色にも多少似ている。
さて、このように世間では評判の悪いタデだが、日本人とは切っても切れないほどの深いつながりがある。
というのは、ソバはタデの一種を改良して生まれたものだからだ。

ソバ(白花)

ソバ(桃色花)
実際にソバにかなり似ている、野生のタデであるミゾソバを見てみよう。


いずれもミゾソバ。
ところで、こうしたタデの仲間は、田舎なら20種類くらいは比較的簡単に見つかる。
代表的なものを見ていこう。

アキノウナギツカミ
ミゾソバに似ているが、襟首がスラリと長い。また、名前にあるように、ツルツルのウナギでさえ捕まえられるくらい、細かいトゲがびっしりと生えている。

ヤナギタデ
まさに、柳の風情。
なお、こんなものもタデの仲間だ。

ミズヒキ
結婚式に使う水引に似ているからついた名前だろう。
タデ食う虫は好き好きとはいえ、タデにもいろいろあるのだ。
これを食らう虫は、どれにするか迷うだろう。
さて、最後に、もう一度ミゾソバに登場願う。
タデの中では、たいへん好きな花である。
数個の花が密集してひとつの花に見えるものの、実は1つの花の大きさは4~5mm。
見逃してしまう方も多いに相違ない。
では、私が好きなチャーミングなミゾソバをアップで。
