それは発表される数値の単位を明確にすることだ。
例えばベクレルにしても、対象は何なのか、また、単位は何なのかということだ。
そうしないと、単に何十ベクレルとか、何億ベクレルとかいう数値が独り歩きしてしまう。
そのため、何十ベクレルと何億ベクレルを、同じ土俵の上で考え、うわっ!急に何千万倍も増えたと勘違いしやすい。
また、これはやむを得ないかも知れないが、トリチウムとかストロンチウム90とかいう同位体名を出すだけで、少し昔にはよく出ていたセシウム137と何が違うのかも記載せず、ただ新しい名前を踊らせている。
これは、今後話題になるやも知れぬプルトニウム同位体も同様だ。
このあたりが曖昧のままだから、我が国の報道をチェックしている隣国が、よい放射線なら大丈夫だが、悪い放射線の日本の海産物はいけないといった、さっぱり理解できない話に、日本の一部マスコミが知らぬふりを決め込んだりする。
本来、突拍子もない外国の話には反論するのが当たり前と思うのだが、影に日向に協力関係にあると、それも難しいのかも知れない。
さらに、シーベルトに関してはもっとひどい。
民主党時代に作った測定方法を含めて、見直し、あるいは表示(推定値)の説明をすべきだと思う。
おそらく、義務教育、いや高校までの物理教育までしか知識がなかったならば、インターネットなどを使い自分で学ばない限り、なかなか理解が難しいだろう。
場合によっては、ベクレルとシーベルトを同じものと考えたりしてしまうだろう。
いやその前に、ある放射性物質の測定ベクレルが同じ値ならば、シーベルト推定値も同じだろうといった、基本的な誤解さえ生んでいるに違いない。
確かに面倒なところだが、
①ベクレルとシーベルトは全く違うものであること
②同じベクレル数でも、シーベルト数は線種により異なること
③市販の安価な簡易カウンターでは、例えばトリチウムのβ線などは計れないこと
④同様に、あと少ししたら話題になるかも知れないα線も、やや特殊なカウンターではないと計れないこと
⑤透過力と被曝、特に内部被曝を大小で比較してはならないこと
→透過力が小さいα線のが、はるかに透過力が大きいγ線より内部被曝への影響が大きいが、民主党時代の説明では透過力=内部被曝のような話へと誘導する番組があった。
これは学者が国会で陳述・要請していたが、避難地域の誤り即是正を含め、当時はその対応をしていなかった。
最低このあたりまでは、しっかり知らせるべきだと思う。
そうしないと、庶民受けすることを主張し、科学的に疑問が湧くようなことをおっしゃる先生方や、テレビなどに出演したりする自称専門家の奇妙な論理が通説となってしまい、へんな強迫観念、逆に根拠に乏しい安心感を生んでしまい、風評被害を助長したり、また誤った対応をしたりすることが増える気がする。
マスコミや国会の先生方には、特にそのあたりをしっかり考えて欲しいなと、淡い期待をしてみた。
しかし、良い放射線とか悪い放射線て、いつだったかどこかで言ってた自称専門家がいましたよね。
