
エロスというのは、ギリシャ神話において美の女神アプロディテの息子であり、全能の神ゼウスの孫にあたる美男子だ。
このエロスと共に語られるのが、母である美の女神アプロディテ以上と称賛された、プシュケという人間の王女だ。
ギリシャ神話を知らない方もいるだろうから、簡単に粗筋を書いてみよう。
母のアプロディテの嫉妬から、プシュケに災難をもたらすよう頼まれたエロスは、逆にプシュケに夢中になってしまい、宮殿で姿を隠した夜だけの密会が始まる。
プシュケの姉たちは嫉妬から、夜だけ現れる夫の姿を暴くようプシュケをけしかける。姿を見られた夫は身体と心に傷を追いながら宮殿から去ってしまう。
エロスを忘れられないプシュケが、エロスの母を訪ねてエロスとの交際を頼むが、アプロディテは美しさと息子を取られた嫉妬からか、次から次へとプシュケに難題を課す。が、多々の助けを得てすべて解決し、やがて母の怒りも消える。
こうしてプシュケはエロスと結ばれたばかりか、神になる。
まあ、こうしたハピーエンドストーリーだ。
なお、この話はローマに移ると、ゼウスがユピテルに、アプロディテはウェヌス(ビーナス)、エロスはクピドー(キューピッド)という名の神に変わるが、プシュケはプシュケのままだ。
あと少し、詳しくみてみよう。
三人姉妹の末娘が、姉たちのいじめに合いながらもハピーエンドになるストーリーはシンデレラの原型だろう。あるいは、大国主の兄たちからのいじめに似ている。
また、夜だけ訪れる姿を隠した夫というのは、日本神話の大三輪または大国主の蛇夫伝説にそっくりだ。
さらに、その姿を暴いたために夫が消えてしまう話は、日本各地にもいくつかの伝説が残っている。
プシュケが与えられた難題を多々の助けで解決していく話は、大国主の死と再生の話、あるいはヤマトタケルがネズミに助けられる話に類似する。
(参考:マヤには、非常に似た神話がある)
なお、この話は総じてヤマタノヲロチを倒した話、あるいは母イザナミを訪ねて黄泉の国を訪れる話にも似ている。
さらに、プシュケがタブーを破り箱を開けて眠りにつく話は、浦島伝説の元ネタだろう。
ギリシャ神話と日本神話の類似性は昔から指摘されているが、エロスについて調べて、改めてその類似性を実感した。また、風俗学では、これらの話を成人儀礼との兼ね合いで語られることが多い。が、私はそんなこじつけには関係なく、ギリシャや日本の神話に出てくる神々の人間臭さを、単純に楽しみたい。
また、現在多くが残っているものがギリシャ神話なので、日本神話とギリシャ神話の対比が話題になっているが、さらにさかのぼってエジプト神話、さらにより古いメソポタミア神話との比較がされるべきだと考えている。
以前記事にしているが、シュメール語と日本語の類似性、エジプト語やヘブライ語ならびにその風習と日本におけるそれは、より深く学ぶべきだと素人ながら考えている昨今である。
それが何になるの?とは考えない!
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昨日はまさに卵だったタマゴタケ。
わずか1日で、こんな姿になっていた。
ざっと、変化をまとめてみた。
1枚の画像で約1日の変化だ。


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