【地球は温暖化しているのか?】 第6話 少しわき道 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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今回は、本筋と遠く離れる話ではありません。
むしろ密接に関係する話です。

これから簡単なクイズを出します。

少し考えてください。

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ある日の正午におけるA地点の気温は晴れ20度、隣のB地点では晴れ30度でした。 つまり、2地点の平均気温は25度です。

翌日の正午には、A地点では晴れ25度、B地点でも晴れ25度でした。
ですから、2地点の平均気温は25度です。

以上のように、2日間の天気も平均気温も全く同じですから、この2日間の気象の違いはないものと考えて問題ないでしょう。
これは、優秀な皆さんなら当然ですが、小学生でも分かりますよね!


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さて、上の話にはとんでもない誤りがありますが、気づかれたでしょうか。

人間の弱みをうまくついた騙しです。

「数値」を出され、「皆さんは優秀だから」とか「小学生でもわかる」とか言われると、多少疑問があっても、なんとなく頷き自分をも騙してしまいます。


これはマスコミだけではなく、いろいろなところで使われる手口でしょう。

私自身も経験しています。ただし、私は基本的には、分からないものは分からないという方なので、「まあ、この程度は頷いておくか」や「こりゃ、話しても意味がないな」という場合以外は、「疑問」を投げかけます。



さて、クイズに戻りましょう。

この2日間は晴れで、平均気温も確かに同じです。
が、気象というと話が違ってきます。特に風を考えると、全く様相が異なります。

風というものは、基本的には重い空気が軽い空気に流れていくことにより生じます。
同じ体積(かさ)ならば、湿度が同じだと、高い温度の方が軽くなります。
これは、空気の膨張によるものです。空気が膨張するから、同じ体積で考えると軽くなるわけです。
だから、同じ湿度ならば、空気は重い冷たい方から、軽い暖かい方に流れていきます。
この空気の流れが風となります。

ですから、クイズの例では、初日はA地点からB地点方向へ風が吹いていた可能性が非常に高いのです。
しかし、翌日は2地点の気温差がなく、風のなかった可能性があります。

さらに、初日B地点では正午に30度となり、地面が暖められて上昇気流ができ、あるいは雷雲などが発生したかも知れません。



これは非常にラフな例ですが、気象などを考えるときには重要だと思います。


しかしながら、2地点の各々の気温ではなく、平均気温だけしか見ることができなかったなら、こうした違いを推測することは出来ません。







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ナワシロイチゴ(苗代苺)
農業の知恵から生まれた名前だろう。




最近やたらと、学名をカタカナ日本語にしたように見える名称を流行らせているところがある。

例えば、タイリンキンシバイ(大輪金糸梅)を、ヒペリクム・ヒドコートとか呼ばせるものだ。


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タイリンキンシバイ


写真を見れば分かるように、大きな金色の花に金色の糸のようなおしべがある梅に似た花だ。
だから、大輪金糸梅かあ、なるほどなあ、となる。


ところが、ヒペリクム・ヒドコートとはなんじゃらほい。さっぱり分からない。だいたい、ラテン語を使えこなせる日本人がそれほどいるとは考えられない。

それにだ。学名を読むと、確かにヒペリクム・ヒドコートと読めるだろうが、それはアメリカ語読み。
ラテン語をアメリカ語読みしたものを、日本語のカタカナに直している。おそらくそんなカタカナの名前は、世界的なものでもないし、学名などとは言えない。
ラテン語を多少知っていたならば、古典ラテン語ならばさておき、現代ラテン語でヒペリクム・ヒドコートという音を聞いただけで???となるのではなかろうか。
まあ、そんなことはどうでもいい。もともと自国語でない言葉をカタカナにはできないし。

でも、ヒペリクム・ヒドコートじゃあ、実物見ても丸暗記で終わりだな。大輪金糸梅という名前で見るときと、どれほど違ってくることだろうか。




しかし、私には理解できないこのカタカナ名称が、現在のある業界では普通らしい。

ひょっとしたら、そんな意味不明の名称が、学名読みで格好いいとか思っているのだろうか。


いや、それならまだかわいい。
カタカナ意味不明名称を知っていることが、ハイセンスだとか知識があるとか考えていたなら、むしろ哀れでさえある。

たぶんだが、かような方は、さぞかし立派な【ヘルメス】のネクタイをしているのだろうな。





が、これが現実だ。




桜を、プルヌスだのと呼ぶ日が来ないことを願いたい。