サンフランシスコ条約などというものは、語句のみ知っているが、中身まではさっぱり知らない。
そこで、サンフランシスコ条約について調べてみると、面白いことが出るわ出るわ。
つまらぬ推理小説より、はるかに面白い。
このあたりに詳しい方には常識でも、私にとっては初めての内容がほとんどであり、興味深い点のみピックアップしてみた。
①この条約に、ロシア、中国(現政府である中華人民共和国も、現政府により追い出された中華民国いずれも)は、参加していない。
②この条約の正文は、英語、フランス語、スペイン語であり、日本語の正文はない。ただし、日本国政府は正文に準ずるものとして扱っている。
③吉田は全権としてサインしたが、民主党全権はサインしていない。★追加訂正:民主党全権はサンフランシスコ条約にはサインしたが、その後の安全保障条約にはサインしなかったという。これは真偽不明。
④正文(アメリカ政府ホームページ)には、KOREAへ返還すべき島として、Quelpart(済州島)、Port Hamilton(巨文島)、Dagelet(欝陵島)がある。
⑤樺太の一部を返還する。(私が子どもの頃、昭和30年代の世界地図には、南樺太は日本領として赤く塗られていた)
などとある。
さらに、非常に面白いことを発見!
正文の英語にはKOREAへの返還に記載されていない『竹島』を、いかにもサンフランシスコ条約に記載されてKOREAのものだ、と主張する人もいる。
(この人、本当に正文たる英文を見たのかなあ?)
おそらくだが、これは本人の主張だけでなく、何らかの誤解もあるのではなかろうか。
Dageletは欝陵島だが、一部では『竹島』とも呼ばれていたようだ。
だから、欝陵島と現在問題になっている竹島を混同したのだろう。
ちなみに、私が調べた限りにおいては、いわゆる竹島(欝陵島ではない)が現在の大韓民国領であった記録はなかったし、連合軍ですら何度も大韓民国領ではないことを明確にしていた。
しかし、インターネット世界は怖い。
もし、正文たる英文を見なければ、インターネット訳文などに載っている、コリアへの返還義務として「済州島、巨文島、欝陵島並びに竹島」があると信じてしまうだろう。
もちろん、日本政府作成の正文に準ずるとされる文書にも不適切な部分はあるだろうが、これほどのインチキではないと思える。
あるブロガーさんも書いていらしたが、中華人民共和国のこの報道官、大丈夫?
素直に考えると、この人の言ったことは、
①日本とは戦争状態であること
②中華人民共和国は戦勝国ではないから、常任理事国としての権利はないこと
なーんていう理解ができますけど。

★追記
この条約のとき、ソ連(現在のロシアなど)とその傘下国(チェコ、ポーランドなど)は参加を拒否。
中国は、中華民国か中共(現在の中華人民共和国)のどちらを国とすべきか分からぬため、招かれず。
韓国は参加を申し出たが、日本と戦争をした実績もなく権利なしとして拒否されたらしい。
この追記は裏をとっていないが、さもありなんと思った。
