【昔話シリーズ】てぇぺぇぺぇ | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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むかーし、むかし。
あるところに、だざいじいさんというおじいさんがすんでいました。

だざいじいさんは歌舞伎が好きで、自分も歌舞伎を踊るほどです。
ですから村人たちはだざいじいさんのことを、かぶき者と呼んでいました。
今でもだざいじいさんは、かぶき者です。



だざいじいさんのおともだちに、ただちにあんちゃんという若者が住んでいました。
ただちにあんちゃんは、いつも「ただちに、ただちに」と言っているのでそう呼ばれますが、本当の名前はぶらんちあんちゃんです。
ぶらんちとは、朝だか昼だかよく分からないという意味です。


だざいじいさんが引っ越しをした後に、空いた長屋に来たのはうなぎじいさんです。
うなぎはつるつる滑って、なかなか捕まえられませんが、うなぎじいさんもそんな人でした。

うなぎじいさんは、川向こうに住むめりけじいさんとも仲良しです。

この長屋に住む人たちは、川向こうの人たちと喧嘩した人ばかり集まったのですが、うなぎじいさんはやはりつかみどころがありません。
うなぎじいさんは川向こうと、てぇぺぇぺぇという念仏仲間だからです。

てぇぺぇぺぇとは、へぇぺぇぺぇがなまったものです。
へぇへぇと言って、ぺこぺこすることです。


でも、長屋に里帰りの嫁さんが帰ってくると、なんでてぇぺぇぺぇなんていう念仏仲間になるんだと文句を言い始めました。

長屋のじいさんもあんちゃんもあるつはいま?という病かも知れませんね。

さっき食べたばかりのご飯のことをすっかり忘れて、「飯はまだか、飯はまだか」ばかり言ってますから。


ちなみにだざいじいさんは、百八煩悩滅却というお念仏が得意ですが、お念仏が終わると飲めや歌えや、金おくれ、金やるぞ踊りをして、とても素晴らしい毎日を送っています。


あるつはいまって、本当に素晴らしいですね。






めでたし、めでたし。