
むかーし、むかし。
あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
ある時地震が起きて、おじいさんおばあさんの家の庭にあった水道管が壊れてしまい、おじいさんおばあさんの庭が水びたしになりました。それだけではありません。水びたしになった庭にはボウフラが湧き、たくさん蚊が出てきました。
網戸をしても、小さい蚊は部屋の中まで入ってきます。そのうちに、部屋の中も蚊でいっぱいになりました。
「おじいさん、蚊をなんとかしてくんなまし」
おばあさんが言います。
「そんなごど言ったって、庭にいっぱいボウフラ湧いちまったから、仕方ねがっぺ」
おじいさんが答えると、
「じゃあ、庭の土換えれば、ボウフラもいなぐなっから、蚊も湧がねえ。じいさん、庭の土ひっぺがして、山から新しい土持ってきて入れ替えてくんろ」
おばあさんが言いました。
おじいさんも、それはいい考えだなと感心して、庭の土をはがして、山から新しい土を持ってきました。
ですから、しばらくはボウフラも湧かず、蚊も少なくなりました。
「ほら、ただちに問題が解決されたべ」
おばあさんが胸を張って言います。
水道管からの漏れは修理していません。
ですから、3日後にはまた庭は水びたしになります。
でも、ただちには問題がありません。
めでたし、めでたし。