むらさき野行きしめ野行き……と歌っていた頃の日本の農村には、タンポポもヒメジョオンも生えていなかった。
いまではほとんど見られなくなった、イヌノフグリやコオニタビラコ、セリ、ナズナ、ハハコグサなどが、控えめに花を咲かせていたことだろう。
それが明治に入って一変する。
冬を除き、黄色いセイヨウタンポポがあぜを埋めつくす。 さらに背の高いハルジオン、ヒメジョオンの白い花。
そして今、また農村に大きな変化が現れ始めた。
主役はこやつ。

ポピーと呼ばれることが多いが、より正しくはポピーより長めの実をつけるので、ナガミヒナゲシという。
これが千葉の田園にまで進出してきた。

空き地などでは、こんな風景さえ目にする。

こうした進出の背景には、当然ながらガーデニングブームとナガミヒナゲシ自身の繁殖力が深くつながっている。
が、千葉あたりで急に増えだした遠因のひとつには、“除染”という言葉で表される表土剥ぎ作業もあるだろう。

この作業は、著しい経済効果を発揮する。
しかし、健康や安全上の効果には疑問が残る。いや、はっきり言って、私自身は、ほとんど効果がないばかりか、悪影響もかなりあるとは思っている。
確かあの事故・事件後に記事にしているが、この“作業”で兆単位の金が動く。
また、もしそれが収束・終息していたなら、それなりの効果はある。
が、噴水の元栓が壊れた状態で、こぼれた水をかき集めても、ほとんど意味がないだろう。
ただし、繰り返すが、水集め作業により、見た目には作業がはかどっている勘違いをさせる効果と、それにより作業需要が増えて金が回るという効果は絶大だろう。
それを良とする考え方もあるのだろうな。
ところで、アスファルトの割れ目からこんな植物が芽を出しているのを見た。
気のせいかも知れないが、非常にヤバイやつのような気がする。
