★半分小説★『ちょっと違った?』…3000万のお仕事(笑) | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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「はい。島です」

知らない番号からだった。
普段なら居留守を決め込むが、種々の事情から電話に出た。

「あっ。島さんですか。どうも、どうも」


「あのう、どちら様で?」

「これは失礼。私CYAの高木と言いますねん。ヘンダゴロンの紹介で電話させてもらいましたわ」


「なんか、どっかで聞いたことのあるところに似た名前の会社ですな」

「いやいや、島さんの噂は聞いてますよ。1日8つ3連ですって?どうです。うちで働いてみませんか?1000万ならすぐ。島さんなら3000万も夢じゃない」


なんだ?株だの金・プラチナの話じゃないようだ。
時間があるから話に付き合ってみるか。


「ほう。そりゃすごい。中小企業の社長さんが泣く金額ですね」



「でしょう。中には1日100万っていうヤツもいますよ」


「ほう。しかし、そんなうまい話には裏がありそうですなあ」


「いやいや、裏も何も能力しだい。ちょっとしたマッサージテクニックと体力さえあれば……」


「はあ?マッサージの資格なんざありませんよ。多少自信はありまするが。儂は体力にはもう自信が無いですわい」


「いや。資格なんざ関係ないですよ。そりゃあお分かりでしょうが。しかし、ずいぶん落ち着いた声と、じいさんくさい話方しますねえ」


「だって、じいさんですから」



「はっ?またまたあ……。28でじいさんはないでしょう」




「はあ?あのう。もう一度お訊きしますが、どちらへおかけで?」



「あれっ。島珍さんじゃあないんですか?」


「島珍じゃありません。島爺です。還暦間近の」




「けっ。なんだ間違いかよっ。ジジイ、はっはっはっ」

ピッ!



失礼なやっちゃ。

自分で間違えておいてそれはないだろうが。



しかし、1日100万といったらどんな商売だ?
しかも免許なしでもマッサージ技術と体力があればよいらしい。

が、どうも年齢制限があるようだ。



うーむ。妄想学を駆使しても、どんな仕事かさっぱり予想がつかない(笑)。



しかし、1日8つ×3日かあ。


やるなあ。


そっちのお仕事も大変そうだ。