どうも、水素爆発と水爆が同じ類いのものと勘違いしている方もいらっしゃるようなので、素人ながら分かる範囲で違いを見てみたい。
水素爆発というのは、単純に気体の水素が一瞬に燃えるもので、小学校高学年あたりになれば、試験管を使って実験したりできる。
試験管にマッチの火を近づけると、ポンッとかキュッという音がする、あの実験だ。
だから、紙を燃やすことと大差ない。
一方、日本では水爆と訳されているものは、核融合と言って将来は原発に変わり発電の主流となるもので、水素爆発とは全く異なるものだ。
どう違うかはやや面倒なので省略するが、これは燃えるとかいうことには関係がない。水素と酸素が結びついて水になるとか、炭素が燃えて二酸化炭素ができるとかいう話とは全く関係がないのだ。また、出るエネルギーが桁外れである。
この核融合というのは、たまたま水素の仲間を使っているから水爆と言っているが、特に水素に限定する必要はない。ただ、我々人類には最も手っ取り早い核融合の材料に水素があるから、日本語で水爆と言っているだけであり、より正しくは核融合爆弾とすべきだろう。核融合とは簡単に言えば、人工の太陽を作るようなことなのだ。
この核融合爆弾は、原爆と日本語訳される爆弾よりはるかに強烈で、重さや構造にもよるが、同じクラスの原爆の数倍から数百倍のエネルギーが出てくる。
非常にラフだが、分かりやすく例えれば、福島原発での水爆爆発が100円ライターの爆発としたなら、原発は街角のガソリンスタンドの爆発。水爆はコンビナートの石油タンクが爆発したくらいの差があるだろう(★注★原爆も水爆も、実際は爆発ではないから、このような比較はできない。これはあくまでも分かりやすい表現にしただけである)。
現在の人類の能力と技術では、水爆の爆発には原爆の力を借りないとできない。
が、近々、原爆なしでの水爆。つまり、核融合爆弾ができるだろう。
さらに、少し遠い未来には、核融合を利用した発電も可能になる。
が、発電に関しては、すでに日本のメーカーがはやぶさで実用化しているイオン推進装置のようなものが、核融合炉の前に実用化するかも知れない。
さらに、はるか未来には、高エネルギー宇宙線を利用した発電が可能かも知れない。
とにかく、水素爆発と水爆は、その中身も規模も全く異なるものだ。