なお、これは小説です。
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あたしは、なんということをしてたのかしら。
もう、ダメッ。
外にも出られなくなりそう。だって、仮の名前とはいえ本名に近い名前にしちゃったし、周りの人にもブログのこと言っちゃたから、……。
どうしよう。
夫にバレたら離婚だわ。
そしたら、あたしはどうしたらいいの?
(シクシク)
そうよ。あいつがいけないのよ。
何よ 、アレ。
もしあたしが辞めようとしたら、“お前が逃げたらこうだぞ”って脅かしじゃない。
ううん。 違うわ。あたしがいけないんだわ。
でも、家ん中でなんにも刺激ない生活なんて信じらんない。
そうよ。あたしが悪いんじゃないわ。夫がいけないのよ。
かまってくんないし。
子どものことは、あたしにだけやらせるし。
大変なんだから。
ううん。
やっぱり違う。
嘘ついてまで買ったあたしがいけないんだわ。
でも、どうしよう。
知らない人にも、いっぱい売っちゃったし。あたしも罪になるの?
ううん。違う、違う。
大丈夫。見守ってくれているもの。
? でも、誰が?
あの人はダメだわ。用がなくなったら、知らんぷり。だいたい、あの人のことさえあんな書き方してるし。
あの人はうらやましい。
確かにユダよ。
でも、今はあっちで明るく記事を書いているわ。
うらやましい、うらやましい。
違う、違う。
あの人はやっぱり裏切り者よ。
あたしたちの幸せを奪ったんだから。
で、でも、うらやましい。
あっちに、早く行ってればよかった。
いや、まだ間に合うかも。
ううん。手遅れだわ。
いや、まだ大丈夫よ。
(繰り返し)

★昨日、今朝も書いたが、人生にやり直しがきかないということは、それほどは多くはない。
自分を騙し続けられる自信があるなら、それはそれでいいかも知れない。
しかし、自分に嘘をついて生きる人生はなかなかつらいだろう。

