それは錫を使った合金を溶かし、一瞬にして製品を作ってしまうものだった。
こうした製品がどうやってできるのか知らなかった私は、それこそ数秒でできてしまう銀色に輝くそれに驚いたことがある。
さらにガラガラかき回す機械に入れると、角が取れて丸みを帯び、光輝く製品が出来上がった。
100円ライターより少し大きめのそれは、原価50円もしなかった。
今はかなり高くなったようだから、80円くらいするかも知れない。


現実を直視することには勇気がいる。
また、痛みも伴う。
しかし、ずっと続く自分との闘いよりはいいかも知れない。
決めるのは、他ならぬ自分自身だろう。