水というものは、私たち地球に住む有機質生命が存在する上では必要不可欠なものだ。
本来灼熱地獄のような地球には存在しなかった物質だ。だから水はおそらくカイパーベルトあたりを中心とした、はるか宇宙からやってきた彗星などからもらったものだろう。
その意味では、今地球で我が物顔をしている私たち人間も、地球侵略者、つまり宇宙人だと言える。
さて、この水という物質には、他の物質に比べて、たいへん奇妙な性質がある。
たとえばそれは、液体から固体になると体積が増えることだ。
もし水がほとんど全ての物質同様、固化すると体積が減ってしまうならば、私たち生命はほとんど存在していないかも知れない(理由は長くなるので割愛するが、海に関係する)。
また水は、優れた溶媒(他の物質を溶かしこむ)でもある。
非常に多種の金属を含め、他の液体とも仲良く混ざりあう。
これもまた、生命の存在に関係してくる。
多くの物質を溶かし込めるために、私たちは種々のミネラル、栄養分を水を飲んだりすることで補給できる。
また、水の中にそれらを入れたもの、つまり血液で身体の隅々までエネルギーを運んだり、逆に老廃物を回収できたりもするわけだ。
さらにすごいことは、かなりの気体をも溶かすことができる。
この性質がなければ、私たちはこの地球には存在していなかった。
なぜなら、生命は海から生まれたが、海=水に酸素が溶けていたために、私たちの祖先の生命体(地球初期の生命体にとっては毒物だった酸素を利用した、新しい生命体)は、その水に溶けた酸素で呼吸し、あるいは二酸化炭素を摂取して生命を維持していった。
このように、生命体にとっては多少のミネラルや酸素などの気体、つまり不純物を含まれているのが理想であろう。
しかしながら、一方で敢えてこのミネラル分などを除去して飲料としているものもあるらしい。
これは私の理解の外にある。
よく市販されているスポーツドリンクなどは、かなりのミネラルを入れ、比較的血液に近い組成をしている。
あまりにミネラルなどが少ないと、浸透圧の関係で生命が危ぶまれる場合もあるからだ。
しかしながら、こうした水(おそらくイオン交換樹脂の類を使ったものだろう)を純度が高い素晴らしい飲料水とかいう場合を稀にみる。
さらに純度を測る機械なるものがあり、0なら100%とか言ったりする。
おいおい、大丈夫か?
その機械って、ひょっとして電気伝導の値あたりを測る機械のこと?
もしそうなら、仮に0の値でも100%とか言ったら、あまりにも勉強不足です。少なくとも水を売る仕事についているなら、イオン交換樹脂で仮に100%のイオンを除去し、pH7丁度となり、かつ電気伝導0を示しても、純水じゃあないですよ。
水を売る方。
あと少し、学習を!