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子供のころ言われて信じていたことブログネタ:子供のころ言われて信じていたこと 参加中


昨日あたりから、京都大学の研究者たちがネイチャーに発表した太陽のスーパーフレアのことが話題になっている。

それはそれでいいのだが、ほとんど全てのマスコミが自分流にアレンジして、センセーショナルな記事に仕上げている。

マスコミとは本来そうやって飯の種を作るのが仕事だから、いまさらそれにケチをつけても仕方がないのだろう。少なくとも、放射線は体に良いとか、ただちに影響はありません的なものよりはましだ。


しかし、あまりにも手抜き記事ばかり目立つので、素人ながら、京都大学研究者がネイチャーにも載せたというスーパーフレア記事について補足しておこう。


マスコミやインターネットなどの記事を見ると、太陽型の星でもスーパーフレアがよく起こるかのような書き方をしている。

しかし、論文内容をさらっと見て欲しい。

だいたい、スーパーフレアの規模についてひどいものでは、太陽最大フレアのmil(1000)倍ではなく、million(100万)倍と桁違いで書いているところさえある。





まあ、それはお愛敬としても、京都大学発表のスーパーフレアの頻度と規模の関係に関するものが、一切無い。
フレア規模が10倍になれば、頻度は反比例して10分の1くらいになる。


また、さらに大切な星の自転周期とスーパーフレア頻度の関係にも触れていない。

自転周期が遅いほど、その頻度は低くなると明記し、またグラフまであるのに、マスコミやインターネット記事は無視している。

現在の太陽は自転周期が27日ちかい、大変のんびりとした自転をする星だ。

こうしたことを抜かして、単に危機感を煽っているようにしか思えない。


だいたい、自転周期が短ければ当然そのエネルギーは大きく、遠心力も強くなるから内部核融合の如何にかかわらず恒星内部の粒子などが外側へ放出しやすいであろうことは自明の理である。これはスーパーフレアが起こるには恒星近くに巨大惑星が存在し、その重力とのアンバランスからスーパーフレアが発生すると考えられていた過去の理論の矛盾を補うものだろう。この巨大惑星(ホット・ジュピター)の存在がスーパーフレア発生の絶対条件のごとく扱われていた天文学が唯一の理論のごとく書かれている記事は、記者の知識不足か故意に脱落したものか、何も考えずに文章を書いただけだろう。



繰り返しになるが、マスコミもインターネット記事も、あまりに元記事を見ていないか、理解していないか、故意に抜かしている。




太陽のスーパーフレアに関しては、はるか昔から予想されていたし、また最近は映画にもなっている。

つまり、けして目新しいことではない。
ただ、データでその予想のごくわずかな地固めができたにすぎない。

ごくわずかな地固めと書いたのは、このスーパーフレアの記事をネイチャーに掲載されることになった研究者自身が、まだまだ研究をしなければ分からないことがあると書いているではないか。



マスコミやインターネット記事、Wikipediaなどのインターネット辞書の元記事まで追うことはあまりないだろうが、もしより正しいと考えられる情報が欲しいなら、これからはいっそうこうした作業をする必要があるだろう。


しかし、マスコミさんよ。
これに限らず、あと少しまともなことを書いてくだしゃんせ。


また、騙したりもしないでぐだしゃんせ。