
ハノイから車で2、3時間のところにハイフォンという街がある。
ここの喫茶店でオレンジジュースを飲み、お勘定を終えて立った。
と、カバンか何かがグラスに触れ、それは甲高い音を立てて砕け散った。
私はごめんねと言いながら、その砕けたガラスを拾おうとした。
と、いやいいんです、といった仕草で、細身のお嬢さんが私の腕をとった。
あっ、そうか。
私はここではそんな日本的な親切、あるいは常識を出してはいけないのだ、とボンベイ空港での苦い経験を思い出した。
ごめんね、とまた言って、彼女にズボンの右ポケットに入れていた全紙幣を握らせた。
彼女は突き返す。
いや、いいから取っておいて。
私は軽く笑いながら店をでた。
左ポケットに手をやる。
あっ。
右と左のポケット間違えた!
右ポケットには、釣り銭の5万か6万くらいが入っていて、左ポケットにはもしもにそなえて100万くらい入れていたはずだった。
が、左ポケットから出てきたのは、使い道のない5千だの2千だのの束。
あーあ。
グラス1個に100万くらい使っちまったぜ。
私は苦笑いするしかなかった。
ええ、後悔なんざしませんでした。むしろ自分のボケ加減に吹き出しそうでしたが。
★注:これはつい最近あった実話に近いものですが、貨幣単位はドンです。
ところで、皆さんは日本の1万円札の原料をご存知だろうか。
おそらくほとんどの方は偽造紙幣とかを作ったことはないでしょうから、あまり知らないかも知れないですね。
しかし、ゆとり教育前の世代なら、まずその名前はご存知でしょう。
ええ、ミツマタです。
写真でも分かるように、枝が3つに分かれて、3つの股を作っています。
なお、偽造紙幣を作ることは、殺人罪くらい重い罪ですから、この枝から紙幣を作ったりしないように。
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