
文科省で、南海地震ならびに首都圏直下型の地震が起こった際の、、波高や震度予想を発表したという。
地震に関しても、素人がとやかくいうべきものではないだろう。
しかし、ふと単純な疑問が湧いてきた。
予想という場合には、いくつかの想定をするに違いない。
仮にマグニチュードが同じで震央も同じだとしても、震源はいくつかの場合を想定するのが当然だ。
震源の深さで揺れは全く違ってくる。
ましてや、マグニチュードも震央も違っていたら、それこそ大きな違いが出てくる。
今回の想定の意味合いがいまひとつ不明だ。
さらに南海地震の想定をするなら、当然、世界一観測網を張り巡らしてある駿河湾に触れないのも奇異に感じる。
また、浜岡に言及するなら、南海地震だけではなく東南海、あるいは東南海地震と南海地震のほぼ同時発生、あるいは東海地震についても想定を発表すべきだろう。
津波予想も、震央、震源の深さなどで大きく変わるだろう。
単にいくつかある想定のひとつである、南海地震の津波や首都圏直下型地震の震度だけを発表すると、その想定がすべてと勘違いを起こさせる。
それが目的の場合もあるが。
今回の想定は、東京湾北西部、地下10~30キロメートルを震源としたと思われるが、これが東京湾北東部だとすると、京葉地域の震度分布は全く異なるだろう。
さらに奇妙なのが、震度分布がほぼ同心円を描いていることだ。
過去の実態からも、地下構造からも、先日の東北地震だけ考えても、また湾岸沿いの小さな断層の存在などから考えても、ほとんどあり得ない値だ。
特に湾北東部の揺れ想定は、あまりに異常だ。
かつ、実際の被害に大きく関与する液状化発生予想地域にも、少なくともテレビなどでは触れない。
これは多分に政治的だ。
いずれにせよ、私のような素人の知識、経験でも?マークを付けたくなる震度分布図。
純粋な自然科学者が作成したものとは、とても思えないのだ。
これさえ、政治的なものを感じてしまった。
