大都会を独り占め? その2 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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世間を少しばかり斜めから見てしまうしま爺さんの短編小説や随筆集などなど
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さて、なんとか坂を登りきると、“この~木なんの木気になる木”のミニチュア版が正面に見えてくる。


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あと少し早ければ、左手にはソフトボールくらいある、お化けカリンを見られたに違いない。


と、右手の建物から笙(しょう)の音が漏れてきた。

生の笙を耳にするのは初めてである。

中に入って見せていただこうかと思ったのだが、“関係者外立ち入り禁止”の立て札が許さなかった。

うーん。残念。


そこを真っ直ぐ進むと本丸跡。


そこから本丸台地を見て、改めて唖然とする。


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中央の芝生には、一組のカップルが見えるだけ。

はるか遠くの林の中のパトカーと工事用トラック以外、人気はない。

いや、私の背中や右後ろには、けったいな爺さんがイタズラをしないかと見張っている方々が何人かいるが、彼らは草だから私も草として見ている。


さて、本丸を途中で降りて、台地を周回する道に足を進める。

と、右手の柵の向こうにある道を赤い車が通り、すぐ手前にあるチェックポイントで止まった。制服が思ったより硬くはならずに挨拶して、道を開ける。


色からすると、マスコミなどでもよく拝見する、あのお方であろうか。

なんでもパチリ爺の私ではあるが、さすがにこれは気付かぬ振りで携帯には手を触れなかった。


本丸から半時計周りに、回ってみる。


まず目に入ってくるのが、竹だ。

このブログでも何度か紹介しているが、もう一度奇竹の数々をご覧あれ。


キンメイチク、キッコウチク、ラッキョウヤダケ、スホウチク、シホウチク……。
竹にあまり興味がない私でさえ、ワクワクゾクゾク。


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ここのベンチは灰皿が置いてある。

一服する間に、まずは掃除のおじさんが現れ、自転車に乗った制服が2台通りすぎ、さてもう一服と火を付けたところで顎髭を生やしたご年配が現れた。


“今日はどうなってるんですか?”

私はあまりに少ない人を問うた。

“花には早いし、寒いですからねえ”


そんな話から始まり、雑木林のキンラン、ギンラン、フキノトウや、それを持って行ってしまう不届き者の話、喫煙所の話、カリンの話等々、10分くらい話しただろうか。


“しかし、おじさん幸せですね。こんな環境で働けるとは”

“はあ。みんなに言われますよ”

“私もこんなところで働けたら楽しかんべな”
と、リクルートまがいの話もしておいた。

“しかし、雑木林はうまく自然林風に作りましたね”
“おっ。分かりますか”


“まあ、田舎者ですから”


と、とりとめのない話を終えて、また足を進める。

やや急な坂道を登り降りすると茶畑だ。



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夏なら、近くでツルバラが咲き誇る。


もう一度、本道に戻って、あたりを見回す。


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まったくどうしたことですかね。



遠くに赤い木が見えたので近づいてみた。


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どう見てもウメモドキだが、10メートルを超えるウメモドキなど聞いたことがない。
一体何の木だろうか。


脇には、マンサクがひっそりと咲いている。


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足元では、実を飛ばしきった枯草がカラカラと乾いた音を立てていた。


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帰り道にある休憩所あたりには、シュウメイギクが綿毛を飛ばしている。


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休憩所すぐ近くには、フユザクラ?が咲いていた。

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本道を少し外れれば、胴回り5メートルはあろうかというクスノキの道がある。



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また坂道を降りて雑木林でうろうろしていたが、背中の視線が痛くなってきた。

ちょうどその時、“もう帰れ”とカラスが鳴いた。



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来たときには気にならなかったが、この時期はどこでも工事が盛んである。



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お後がよろしい?ようで。


ということで、田舎爺大都会を独り占め??!の巻はおわりです。