新春の七種(ななくさ) | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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かつて、一度だけスーパーの七草粥セットを買った気がする。

ただ、私にはどこに七草があったかよく分からなかったから、その後は買った記憶がない。

ところで、昔の春の七種はいささかきついものがあるため、少し前の記事にも書いたが、私流“春の七種”を挙げてみよう。

トップバッターは“タラノメ”。
タラノメとはタラという木の芽のことだ。
枝中バラより鋭いトゲがありいささか採るときに気を使うが、味は食べ物の中では屈指の旨さ。

最近は、トゲが少なくクセが少ない栽培ものをスーパーなどで見かけることもあるが、自生ものの深い味わいには及ばない。

私の好きな食べ方は油味噌である。

火が出そうになるほど熱したフライパンに油をさっとひき、タラノメを入れて軽く炒める。これに味噌、砂糖を好みに応じて水に加え溶かしたものを入れる。たぶん炎が1メートルくらい上がるが驚かない。

タラノメの中まで熱が伝わったあたりで火を止める。

唐辛子を少し加えても良い。
やったことはないが、エビ味噌あたりを入れると、また一味違うだろう。

苦味はフキノトウにも似た、品のあるものだ。

残念ながら、自生しているものをここ30年以上見ていない(10年くらい前に、田舎からひとつまみ送ってもらったことはある)。
山陰にいらっしゃるブロガーさんが、タラノメ料理の記事を書いているのを見て、そのほろ苦さを思い出しながら、一人郷愁に浸るばかりである。

また、片栗粉を溶かして天ぷらというのもまた良い。
小麦粉だとやや本来の野生味が薄れてしまうが、子どもにはいいだろう。

ただ、私は野生の味を楽しみたいから、これに関してはできるだけ衣を少なくしたい。




そうだ。
このタラノメにも弱点がある。

最近は、とにかくないのだ。

少なくとも、千葉に来て野生のそれを見ていない。
結構栽培ものはあるのだが。




田舎にはタラノメの林があったが、もうなくなってしまっただろう。


かつてはあちこちにあった、センブリ、ホトトギス、ワレモコウ、フデリンドウ、トラノヲ、オキナグサも、田舎でさえ今は昔になってしまったようだ。


これからの人生で、はたして本物のタラノメ料理を口にすることができるだろうか。





と、春の七種を続けるつもりだったが、一品目で疲れた。





おわり。