【ほ】 かなりマニアック | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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“ほ”という音は、ヒトにとっては非常に原始的な音で、おそらく最初に生まれたママなどと同様自然発生的なもののひとつだろう。
寒いときにや何かに興奮したときなどに、口から漏れ出てくる音だからだ。

マウンテンゴリラにしても、ホッホッホッといいながら胸を叩きドラミングする。
ではなぜ、ホッホッホッであり、ダッダッダやバッバッバではないのだろうか。

これは、“ほ”という発音を他の言葉と比べてみればすぐわかる。

例えば “ほ”と同じ“オ”行音について考えてみよう。
実はオ行音と言っても、似て非なるものであり、いかに“ほ”が発音しやすいかが分かってくる。では、ひとつひとつ考えていこう。




→この音を出すためには、一旦喉の奥を閉じ空気を貯め、これを一瞬で窄めた口から吐き出さないといけない。比較的難しい発音なのだ。



→これはオの発音より、少し難しい。こちらは喉の奥ではなく、鼻と繋がる空間を閉じて、やはり一気に吐き出して音を出さなければならない。 かなり難しい発音である。



→これはオ行音では最難関だろう。舌を下の歯茎付近に付けると同時に舌中央で上下の口との隙間を閉じ、これを同時に開放しつつ舌をはねあげながら音を出す。



→ソに似た発声法だが、鼻との隙間を埋める点が異なる。 ただし、ソ音ほどエネルギーは必要とはしない。 ソ音は発音前に、あらかじめ空間を貯めておく必要があるからだ。



→トに似るが、鼻との隙間を強く閉じるが、トが一気に空気を開放して発声するのに対して、ノはやや長い時間をかけて発声する点がことなる。



→お腹や喉を多少緊張させる必要があるが、ソやノなどのように、特殊ハイレベルテクニックを使うことなく発声が可能だ。



→かなり空気を貯めておき、半分は鼻から音を出す気分で口を開放する。また、貯めた空気が漏れないよう発声直前まで口を閉じておく必要がある。



→発声方法は、ソとほとんど同じ。 ただし、ソほどには事前に空気を貯蔵する必要がない。



→発声方法はヨに似るが、より強く舌中央を緊張させ、喉の奥の緊張も強くする。 日本語には馴染みがない発音だったろう。
喉奥の緊張を強くし震わせる気分で発声すれば、フランス語や中東語などのrに近い発音になる。ただし、これは、この発音がない日本語を話す日本人には難しい発音だろう。


ウォ
→消えてしまった日本語。 たぶんwoに近い発音だったろう。


なお、ホとポまたボは兄弟だが、発声法からみればかなり離れている。



このように、ホはかなり簡単な発声であるので原始的な言葉が多いに違いない。

穂、頬、女陰、星、ホタル(落語ならば、星が垂れる、つまり星垂るだろうな)北九州方言で頬の濁音(北九州限定放送禁止用語か?)、洞、貝(ホイ)。


やがて動詞、形容詞、副詞などが生まれると、惚れる、掘る、欲しい、ほんのり、ほがらか、誇る、干すとなったのだろう。


ホは原始的な温かさ、興奮から憧れへと変わって行った。



だから、寒いとき、寂しいときにはホスト、ホステスが恋しくなる?