たぶんそれは、私が今の万倍くらい強く、千倍くらい記憶力があり、百倍くらい集中力があり、億兆倍くらい若かった時期だ。
その車が、ガーザーガヤガヤと音を立てながらやってきているのは知っていた。
全く卑怯な奴等だ。
でたらめな歴史を語り、日本を愛している輩のふりをして日本を貶める奴等め。
そんな感情が背中にでも出ていたのだろう。
その車が私の右肩を通り越したとき、1メートルくらい先の足元でパンパンあるいはバチバチっという音がした。アスファルトが少し光った。
が、私は何も無かったかのように歩いている。
若かったなあ。
今なら小便をちびってしまうか、心臓発作で美人とデートだね。

★これは小説です。