じひじもすなるといふをみなことのはをばつかひてひねもすよもすがらのことどもかきつらねとどめむとぞおもふきのふけふなり むかしをとこありけりなどといふことにしてはなしをばすすめむ こぞふづきのみそかほどにわれなるはんねのしまなにがしかをかたりてここかしこあやしうなのりてわれににせたることのはをつかひてあさましうあまたはらからともがらにことわりなきふみのたぐひをばかきつるあり さありてのちかかかるはおのがへやにてなんじやういみげすあたはざるをかけり こぞしもつきしはすほどまでつづきしがはたとやみぬ さあれどこのやよひうづきさつきにまたあらはれけり しばししずかなるやとおもひたれどまたさうざうしくなりぬ うたてなしやとはおもひたれどまたかかるにきをばとられたるはかたはらいたしとおもひしがはじめにくわんぐわえたるあてすいりやうのひやくがうちくくはちじやういちはまちがひなけれとおもわるるをみつけいとをかしいとをかしとおもひてあへてにつきにかくなり かかるはじひのめのわろしとおもひてあまたをかしのことどもをかくにやあらむ またみずからのすがたのあらはれけるをしらぬにやあらむ げにうたてなしや
うたてなくあはれなるかなとぞおもふしもつきつきみつるよるなり
