
僕とメイは小学校の時からの付き合いだった。
一緒に野山を駆け回ったり、小川のせせらぎで遊んだりもした。
僕がそっと頬を撫でると、周りに誰もいなかったからかも知れないが、時々キスみたいこともした。
僕は勇気がなくて、そこまではできなかったが。
僕が一山向こうの町の高校に通うことになり、しばらくは会えなくなった時、僕はまた一緒に懐かしい野山を歩いた。
じゃあな、元気でいろよ。
僕は少し涙目になっていた。
メイは、ずっと泣いてばかりいる。
おい、何とか言えよ。
泣いてばかりいるんじゃない。
僕は思いっきりメイの首を抱いた。
メイは、ひときわ大声で鳴いた。
メーエエエェー。
メエエエーッ。
メイは涙ひとつ見せず、美味しそうに干し草を食べている。