
いや、実はこれを着信音には使ってはいませんがね。
中には、これを着信音にしていらっしゃる奇特な方もいるのではないかと。
はい。
マイム・マイムと言えば、今の若い方はどうか知りませんが、今30代くらいの方までなら、運動会フォークダンスの定番かと。
えっ?
はい。よくご存知で。
おっしゃる通り、これはユダヤ教の踊りです。
マイムとは、まあおおざっぱに言えば水。
つまり、砂漠の民が“ヤッホー、水見つけたぜ”と喜び踊るやつですよ。
ちなみに、ヤッホーって言うのは、ユダヤの神様の名前なんですがね。
はあ?
カテゴリーが違うって。
だったら、旧約に分類すべきで、日本神話にしたのはおかしい?
へい。ご指摘はごもっとも。
ですがね。
これは旧約でも、日本神話でも、どっちでもいいんですよ。
まずは、旧約から見てみますかい。
アブラハムって知ってますかい。
ユダヤ教でも、キリスト教でもイスラム教でも、神様の次くらいに敬われている人で、アブラハム・リンカーンなんていうのも、彼の名前をもらったんだがね。
このアブラハムの長男、とは言っても、その前にハガルっていう女との間に男が生まれていていて、イスラム教ではこっちが主流だと言ってまして、確かに長男というのは今の感覚だとおかしいんですが。
とにかく、正妻サラとの間に生まれた男っていう意味での長男に、イザアクっていう男がいました。
で、イザアクは正妻のサラが100歳近くになって産んだ、スーパーウルトラ高齢出産の子なんですが、サラが亡くなった後でも独身。妻にすべきいい娘がなかなか見つからなかったですな。
で、途中はしょって結論だけ言うと、このイザアクの嫁を見つけたきっかけが、井戸水だった。
時代は下って、エジプトのモーゼの時代。
モーゼが殺人を犯して砂漠の民に助けを求めたとき、やはりモーゼが婿養子に入った家の娘との出逢いが、やっぱり井戸水がらみだった。
さて、日本の話を見てみるかい。
これとそっくりな話が神話に出てくるだわさ。
青木繁の絵でも話題になった、山幸彦が海王の娘と出逢って結ばれるのも井戸水がらみ。
ああ、この話は竜宮城の乙姫様に化けちまったりしてるがね。
つまり、神話などでは、重要な女との出逢いは、かなり高い確率で水が関係してくるんだな。
それからね。
モーゼが石を叩いて水を湧きださせる話も有名だが、これは空海、つまり全国に残る弘法大師の話にそっくりだ。
さらに、マイム・マイムの歌は、ユダヤの歌だが日本の歌に通ずるものがあるのよ。
はあ?
ユダヤの言葉じゃ、日本に通じるはずがない?
そうだな。
でもな。
マイム・マイムは、日本に受け入れられる要素を十分にもっていた。
それは何かって?
うーん。これを話し出すと長くなるから、簡単に言っておくぞ。
その音階だよ。
特に、ミとラの使い方だな。
あとは自分で考えろ。
民謡とマイム・マイムの旋律を調べれば気付くことがある。
さて、疲れた。
昼寝でもさせてもらうっぺ。
ざわざわざわ、ざわざわざわ。

一瞬にして、昼が夜になる。

この2、3時間で、ギザの10年分、アタカマの2000年分以上の雨が降った。
砂漠でこれだけ降ったなら、未曾有の大洪水になる。
きょうの都心は、節電ではなく落雷による停電が起きそうだ。
あっ、まずい。
来年の気象年鑑を見てしまった。
今日は都心で記録的豪雨になることは、まだ知ってはいけないことでした。
すみません。
これは内密に。