
小指を立てながらのコマーシャル。
今で言うなら、ブッチギリの流行語大賞。
これは、パイポという禁煙グッズ(喫煙者用おしゃぶり)のコマーシャルで、“話がパルコ”という言葉を生んだ小売店のそれ同様、なかなか洒落たコマーシャルだった。
駅前に1、2分自転車を停めたおじいちゃん、おばあちゃんにはキーキー喚きたてるのに、1時間停車しているベンツには愛想笑みさえ浮かべる“正義の味方”の方々の意見があったのかどうか知らないが、ある日を境にパタリと消えた。
ところで、今私は、宇宙開闢以来の体験をしている。
なんと、今週1本もニコチン酸を摂取せずに生きているのだ。
この事態をどう捉えるべきだろうか。
All About 「カラーコーディネート」夏のCMを爽やかに演出する色
All About 「男の子育て」CMのアレやってみた! 妻への感謝状
①私が嘘をついている。
→これでは話が進まない。また、嘘つきブロガーである私も、嘘は嘘とかく。
これは信じがたい事実である。
②強い意志で禁煙した。
→いや違う。私には肺がんになってもタバコを吸うという強い意志はあっても、禁煙しようなどとは考えたことがない。
③健康のためにニコチンテープやガムに変えた。
→冗談ではない。ガムやテープのが危険だと私なんかは感じてしまうし、だいたいそんなことをしてまで禁煙を考えるはずがない。
④体質が変わった。
→可能性としては、これしかない。
新生物の影響などで味覚、嗜好が変わることはよくある。
家の家系には、新生物を繁殖させる遺伝子はまずない。ということは、後天性のもの、例えばストレスやら食べ物やらの影響かなあ。
味覚、嗜好を変える病気は新生物に限らないが、本人の自覚がないあたりから、これがかなり疑わしい。
仮にそうだとするといささかやっかいである。
大方の病なら自然治癒もあり得るが、これ相手だと自信がないなあ。
さて、ニコチンの煙から遠ざかってから、私は一瞬(昨日の朝だけ)、息苦しさに襲われた。
それは、以前は気付かなかった、アスファルトの臭いであり、どぶの臭いであり、また、はるか遠くを走るディーゼルエンジン車の排気ガスの臭いだった。
また、久々に雨の降る前の匂いも感じられた。
が、幸いなことに今日は感じなくなっている。
これはラッキーだった。
もしあの嗅覚が磨ぎすまされてしまったなら、とても都会で住めないだろうし、自分の部屋で寝ることもできなかっただろうからだ。
しかし、肌が明らかによくなっています。
はい。お化粧なんざ必要ありません。
それとすごいのが舌。
新しい舌でも生えてきたのかと思えるほどの滑らかさ。
うーん。
こんな舌でキスなんぞしてみたいなあ。
と、学術的な向学心に酔うのです。
でも、もううん十年してないし忘れちまった。うーん復習させてくれる相手はおらぬかな。
などと、アホな夢みる今日この頃。
とにかく、4日間という天文学的な長期間、タバコを吸わなくても生存できることがわかった。
これは大発見である。
人類がニコチンなしで96時間生存可能であることを、身をもって証明した。
たぶん今年のノウヘル傷は、私のものだ。