さて、それじゃあ、信長の息子が、15代徳川江戸幕府の中で、ただ1人将軍の子として生まれ、将軍になった男の話に移るぞ。
ちょっと待ったー。
じっちゃんよう。
淀君の息子・秀頼がたとえ信長の子としても、将軍にはなっていないよ。
淀と一緒に夏の陣でなくなっているでしょ。
こちらは、かなり明確な証拠もあるし。
まさか、これも無かったというわけ?
いやいや、信長の子と言っても秀頼のことではない。
えっ?
じゃあ、将軍の子として将軍になったっていうのは、まさか……。
ふむ。
分かったようじゃな。
正しくは、将軍の正室、つまり将軍の正妻が将軍を生んだのは唯一人だということだかな。
えっ?
将軍って、みんな正妻の子じゃなかったの?
バカを言うな。
とはいえ、がっこの丸暗記歴史では、そんなこと教えないだろうな。
丸暗記歴史なら、コンピュータの方が正確だ。
それほど重要なことではない。
じっちゃんの学んだがっこのテストはな。なんでも持ち込み可のテストもあった。
どういうことか分かるか?
薄っぺらな丸暗記なら、正しい資料を持ち込め。
そのテストをした先生の頭には、そんな考えがあったんだろうな。
もちろん、当時最先端の対数計算ができる計算器を使っても、テキストやらノートをカバンいっぱい持ち込んでも、考えない限り1問も解けやしなかったがな。
儂はこいつの追試を2回も受けた。
おかげで、ただ単に覚えることより、中身を考えることの大切さが分かったわい。
さて、話が飛んでしまった。
将軍の正妻が生んだ、唯一の将軍の話に戻ろう。
あのー。
その正妻って、ひょっとしたら、今HHKで放送されている……。
つづく。