【小説】爺は泣いています | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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私はなる



爺は泣いているのですなあ。
なぜかって。
そりゃ、あなた、そうあなたも、そしてあなたのせいです。
みんなで爺をいじめるからじゃい。

爺が喫茶店でチョコパフェを頼めないのを知ってか知らずか、毎日のように美味しそうなお菓子の写真をアップしておるじゃろうが。
くっ、くっ、くっ(涙)。
これをいじめと言わずして何と言おうぞ。

だから、儂も心に決めたんじゃ。

あの世とかに行く前に、一度でいいから喫茶店でチョコパフェを食べてやるとな。
しかし、これには体力が必要だ。たぶん、八大大陸最高峰制覇をするくらいの頑張りがなくてはなるまい。
そのために、まずはイメージトレーニングから始めよう。



いいか。儂が喫茶店に入る
と、女給さんが来るわけだ。

で、儂は胸を張って注文する。

「ブラックと、チョコパ、チョコパ……」
まずい。
イメージトレーニングの段階でつまずいた。
やり直し。

「うー、チョコパ…」

「はい?」

女給さんが首を傾げながら、12センチメートルくらい儂に近づく。

ほわ~んと、バラに少し獣臭が混じった香りが鼻をくすぐる。

うむ?No.5じゃないな。No.40?いやいや、No.18だ。これはあなたにはまだ早いなあ。
などと知りもしない匂いのNo.を並べて評価してみる。

「あの~」
女給さんが苛つきを抑えた笑顔で言う。


そうだ。まだ注文していなかったのだ。

「うー、チョコパ…。いや、グウー、チョキ、パー」

あちゃあ。女給さんは背中を向け、ペタペタとフェラガンモドキの靴音を立てて行っちまったではないか。


はぁ~。

やはり、八大大陸最高峰制覇を先にしよう。