K の秘密 (かなり長くなるかも) | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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眉毛かいてる?ブログネタ:眉毛かいてる? 参加中

『堤中納言物語』に『虫めずる姫君』という話がある。

大人になったのにすっぴんの上、礼儀とされたお歯黒もつけずに、眉毛を剃らないで(注:当時は、眉毛を剃り、眉を描くのが常識)ゲジゲジみたいな眉をして毛虫なんかと戯れる、当時としては、桁外れの変人の話だ。

いやいや、なかなかかわいいお嬢さんじゃあないかい。
すっぴん推進連合会伏開帳の私なんかは、そう思ったりする。


ところで、古今東西を問わず髪というものには、何らかの力が宿っていると考えられている。

有名な話では、髪の毛を切られたとたんに力を失ってしまった、サムソンの話がある。
日本ではあまり知られていないかも知れないが、サムソンとデリラと言えば、ユダヤ教徒のみならず、クリスチャンも、またプロテスタントの方もご存知だろう。
教会に真摯に通っている方なら、多分一度は聞いたはずである。
サムソンは無敵の力持ちだったが、その力の秘密を敵のスパイである美しい妻、デリラに打ち明けたがために髪の毛を切られ、敵の手に落ちてしまうあたりが、なんとも泣ける。

ユダヤ教では、髪の毛を切ることを禁じる法律もあったと聞いたことがあります。
日本でも、女性が髪を切ることは現世からの離脱、つまり仏に仕える身となることを意味しました。
また、ある侍がちょんまげを切られ、恥ずかしくて登城できなかったなどという話もあります。

髪は、神と同音であるだけではなく、特別な存在だったのであり、まさに神が宿ると考えていたのかも知れません。


ところで、髪の発音は、偶然というにはあまりにも不自然なほど、世界の言葉で共通しています。

例を挙げましょう。

日本語 カミ
ビルマ語 クミ
ギリシャ語 コメ
ラテン語 コマ
ネパール語 クァハム
タイ語 コム
フランス語 クリン
なお、髪のK音は容易に H音に変化します。

こうした仲間である、
ドイツ語 ハアル
英語 ヘアー
モンゴル語 フシュ
中国語 ファ
なども、カミという音の仲間かも知れません。

彗星をコメットと言いますが、このコメは髪を意味しますから、コメットとは髪の毛のような星という意味になるわけです。



ところで、髪の毛には k音が入りますが、このk音は神秘的なもの、髪に関与する言葉によく使われます。
“もののけ”のケ。
占いなどで使われる“け”。
ハレとケ(占いの意味に同じ)のケ。つまり、けがらわしいのケ。

同時に、野生動物の名前にもよく使われていることは有名です。

例を挙げて、この記事を終わりとします。

最後まで読まれた方。
お疲れさまでした。また、ありがとうございました。

k音のつく動物名(日本語)
たぬき
きつね
ねこ
やぎ
くま
おおかみ
うさぎ
しか