
この年ですから、などと言いますと爺さんのふりをして、とのお叱りも受けるでしょう。
確かに、まだまだ尻の青い私ですが、だいたいのことには、あまり執着しなくなれるようになりました。
ただ、未だに持ち続け、おそらく川を渡っても持っているものはあります。
それは、一言でいうなら“夢”。
妄想という言い方もできますが、それとは少し違う性格のものです。
ただし、夢と言いましてもメルヘンチックなものとも、また少し違います。
なんと表現したらよいでしょうか。
映画でいうなら黒澤明監督の『夢』の世界。
あるいは、小津安二郎監督『東京物語』、ドイツ映画『会議は踊る』の主題歌のような世界を夢見るわけです。
あれま。
今どきこんなんでは、やっぱりメルヘンチック、あるいは妄想世界の住人と言われても仕方がありませんね。
はい。
これは確かに言えますなあ。