くぁんたうは久々に晴れたり
きのふの疲れやあらむ日高かうなりて起きいずるに次郎のかうしゃうでんふあよりいふやふ
われいひに天竺の火哩と何なるをもとめんと
次郎がかやふいふは有り難きことなれば翁のやほら歩き会ひに行きけり
かの天竺のりゃうりをいだす店はすべて天竺より来る御人のまかなへるにて夜はさにあれど昼の援客どきなれば一人あたまに吾が輩は猫たる主人の一枚でさへ余れるなりまたその何なる天竺焼饅頭の大きことこのうへなくさらに幾枚とてもこころいくまで求めるにその代のかはらぬとあり
かかるじゃうきゃうにおひてなんじゃうその見守るべきにやあらむといぶかしげたまふはことわりなればここにそのあらましをばいはんただしかくゆゑんはあまりに公にするはあらまほしからずまたへいせいなればかくしつるべきなると思ひしかばここにあるやふ昔言葉をつなげてあるひは息の付き場などもなくするなりさてかやうのことを鑑みてかつここまで読み進めたる御人には次男のなんじゃうひとりにてかくかうしゃうでんふあよりかくこと求めたるはその御人早よういへばいろはにほへとちりぬるをわかよたれそつねならむうゐののあとに続きたるがたうきゃうにはそらがなひに似たれるが故なりぞされどかくあるは我がさがなるはじゃうじゃうわかりけるさすればわがたらうじらうがわれのすふばひなるくらうせるなりとわれの常にいふは分かるにやあらむ