うお座は、12星座の中では最も見つけにくい星座でしょう。
とにかく、一番明るくても4等星。
都会はもちろん、田舎でも近眼の人には、見つけるのはちと無理ですね。
でも、うお座の場所は簡単に探すことができます。
秋から冬の夜空に、大きな四角形を形作るペガサス。
その大四角形のすぐ下(北半球からなら)あたりの、あまり明るい星のない空間だからです。
西洋占星術などでは、うお座は愛の星座であることが多いのですが、星座も愛に似て、なかなか見えないのですなあ。
ギリシャ神話には、直接うお座の記事はないようです。
ただ、後発のギリシャ神話風記事では、怪物を逃れた美の女神アフロディティと、愛をはぐくむ神である息子エロスが二匹の魚になったというものがあるようです。
だから、うお座は愛の星座とか、自由(魚は、人が住めない水の中を自由に泳ぎ回る)の象徴になったのでしょう。
ところで、エロスは、もともとは髭モジャモジャの屈強な大人として描かれていたようなのです。が、ローマ時代に入りキューピッドの名前と共に、羽のある幼児の姿に変わって行きました。
もし、エロスが昔のままだったなら、森永製菓のエンゼルキャラメルには、髭もじゃのキン肉マンの絵が描かれていたのでしょうか?
そんなバカな。
全く関係ありませんが、中東で“サカナ”という言葉を使う時には注意が必要です。
確かアラビア語だかヘブライ語だった気がしますが、sakana は男性にのみ付いている “魚”を意味しますからね。
ちなみに、日本語の魚(さかな)という言葉は意外に新しく、江戸時代に肴から転じて生まれた、とする説があります。
確かに、古い書物には、魚を“さかな”ではなく、“うを”と呼んでいたことが多いようです。
しかし、私はそうは思いません。
“さかな”も“うを”も、大変高い確率で南洋言語(ポリネシアなど)由来でしょう(しま爺説)。
詳しくは、そのうち記事にします。
魚は、人が住めない水の中で自由に泳ぎ回ることができる。
こうしたことも、うお座が愛と自由を象徴することになったのでしょう。
今から500年前、トスカーナでダ・ヴィンチが“モナリザ”と呼ばれる、世界一高価な絵を描いていた頃、今のドイツに天才的才能を持つ画家がいました。
彼の名はボス(またはボッシュ)。
当時すでに彼は、人が魚になる為の機械、つまり潜水艦を考案しています。
技術においては、ダ・ヴィンチとボスは、横綱と園児の相撲くらいの差があります。
が、想像力は、ダ・ヴィンチを上回っていたかも知れません。