かに座。
この星座は、天体に興味のない方には、おひつじ座以上に探すのに手間取るでしょう。
とにかく、一番明るい星でさえ4等星。
視力1.5の人でも、都会ではまず見えない。
春から夏にかけて夜空に昇ってくるしし座と、先に記事にしたふたご座の間あたりにある、目立たない星座です。
また、これにまつわるギリシャ神話も、かに座自体は大変影が薄いものです。
しかし、その背景には、“えーっ!ゼウスさんよ、いくらなんでも、そりゃダメですよ”と言いたい話があります。
が、その話の前に、かに座について、あと少しつけ加えましょう。
かに座には、プレセペ散開星団という、狭い範囲に星が密集しているものがあります。
これは天体望遠鏡でなく双眼鏡レベルでも、明かりが少ない田舎なら、かなりの数が見えるはずです。
また、山に登れば、視力のある方なら、ある程度星が密集しているのが分かるかも知れません。
かに座はCancri、偶然でしょうが、日本語caniにも少し似ていますね。
さて、ではギリシャ神話に移りましょう。
ギリシャ神話で一番のスケベは、主神ゼウスであることは、ギリシャ神話を読んだことがある方なら、たぶん誰もが頷くでしょう。
また、一番の英雄はと訊かれたなら、やはりだいたいの方は、この人の名前を挙げるはずです。
ヘラクレス。
かに座に関わるギリシャ神話は、この最もスケベな神と、最も有名な英雄が関わっています。
ヘラクレスは、またまたゼウスが見初めた女性の子です。
妻のヘラが嫉妬して、さんざんヘラクレスをいじめ(今なら虐待だ!)ますが、ヘラクレスは一層たくましく育っていきます。
これを語りだしますと、アメブロ10000ルールオーバーしますから割愛します。
カニもヘラクレスいじめの一道具でしたが、あっけない最期。
また、もう一つ付け加えますと、ヘラクレスにおっぱいを与えたがらない妻のヘラの寝ているうちに、ゼウスがヘラクレスにヘラのおっぱいを飲ませようとします。
ただ、ヘラクレスの吸い方が余りに強く、おっぱいが飛び散ってしまいます。
この飛び散ったおっぱいが、 milky way 天の川になったと、されています。
さて、ヘラクレスの母がヘラクレスを妊娠したのは、こんな事情です。
ゼウスは前々から見初めていた女性がいて、なんとかものにしたいのですが、婚約者(この婚約もドロドロしたものだったが)があるからと、簡単に撥ね付けられてしまいます。
で、こういうことに関しては、何でも有りのゼウス。
なんと、婚約者が結婚の条件を満たし戦場から戻ってくる直前に、この婚約者に化けて一夜を共にしてしまうのですな。
さらに、全天の神の役得を使って、夜の長さまで変えてしまう。
いやあ、いくらなんでも、こりゃやり過ぎ、浮気する者のルール違反ですな!
えっ?
浮気のルールもへったくれもない。
浮気自体がルール違反でしょ、って?
はあ、そうでしたね。
とんと、気付きませんでした。