正月を少し過ぎた頃、日没後に夜空を見上げると、東の方から明るい星をつなげると、“ク”を左右対称にした形の星座が昇ってきます。
これが双子座で、この中のα星(星座の中で一番明るい星)は、カストルと呼ばれています。
が、カストルは肉眼では一つの星に見えるのですが、実はこの星は3つの大きな太陽(恒星)の集まりです。
さらに、その3つの太陽それぞれに、さらに小さな太陽が回っています。
つまり、カストルは一見単独の星に見えますが、六つ子星なのです。
ヒマワリやタンポポが一見1つの花に見えますが、実は多数の花の集合体であることにも似ています。
太陽が2つ?
とか言うと奇異に感じますが、それは私たちが地球に生まれたからで、宇宙には太陽を複数もつ太陽系が多いようで、学者によっては、単独の太陽をもつ太陽系のが珍しい、という方もいます。
映画『2010年宇宙の旅』では、木星が太陽になる場面がラストシーンだった気がします。
確かに、木星は太陽になりそこねた惑星で、あと少し頑張ってゴミ回収をしていれば(星間物質を持っていたならば)、太陽として輝いていたことでしょう。
さて、ギリシャ神話の双子座を見てみましょう。
この双子座の兄(α星カストル)と弟(β星ポルクックス)の話は諸説あり、実はカストルとポルクックスは双子ではない、というものもあります。
そんないろんな話の中から面白いものを紹介します。
比較的最近、映画化されたトロイの木馬で知られる美女ヘレン。
このヘレンとカストルは双子で、その母はレダと言います。
西洋絵画に興味のある方なら、レダというと白鳥を思い出すかも知れませんね。
はい、レダが白鳥と戯れているような絵画があります。
この白鳥の正体は、……。
そう、その通り。
ゼウスなのですね。
だから、ヘレンは神の子とされてもいるわけです。
まあ、現代風に言えば、浮気相手の子であり、トロイ戦争の裏には、実はこうしたドロドロとしたものがあった、なんて考えるのも楽しいでしょう。
なお、少し矛盾するのですが、カストルは神ではなく人間であり、弟が神であったようです。
そのため、兄の戦死を憐れみ、弟ポルクックスが神の血を兄に与えわけ、二人仲良く1年の半分は神(夜空で輝く)、1年の半分は人間(夜に見えない)となったのだそうな。
とにかく、ゼウス大先輩。
やりますなあ。
まあ、ギリシャ神話によれば、天の川はゼウスの妻ヘラのおっぱいが飛び散ったものですし、主な星座の大半がゼウスの子や孫、愛人などになりそうです。
これらギリシャ神話は、エジプト文化と地中海の歴史を織り混ぜて作られているように思えます。
一時期は全盛を極めたギリシャですが、今はねえ。
なお、勘違いされている方が多いようですが、クレオパトラ(エジプトにはたくさんいるが、最も知られているシーザー、アントニウスの愛人)は、エジプトの女王ですけれども、先祖はギリシャあたりの方でしょう。
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オランダ戦、残念。
しかし、私が今まで見たうちで、一番いい試合だったと思いました。
日本サッカー、強くなったなあ。
遥か昔、塾講師の合間に賞金稼ぎをしていた頃、岡田監督の采配について、A新聞に投稿、全国版に掲載されたことを思い出しました(カズさんには厳しい内容であり、一部誤解を招いたかも知れません。が、私もカズファンの一人でした)。