つまり、ヘビである。
ヘビ hebi とは、m音がb音に変化したものだと考えられ、ヘビは昔は ヘミhemiだったろう。
“へ”は、中東などでは畏れ多いものに使われる接頭語。
だから、ヘビもヘミもミも、みな同じものだ。
また、ハミhamiもhemiの変化だ。だから、ウワバミもまた、ヘビのこととなる。
miに嫌悪感をあらわすshiが付くと、ミシ→ムシになる。
ムシもまた、ヘビを意味する。
だから、マムシと言う言葉があるのだろう。
ヘビの方言には、ナガムシなどというものもある。
このヘビに毛が生えれば、ケムシだ。
でんでん虫という名前もこうした流れをくむものだ。
ヘビは変温動物だが、冷血動物などということもある。
ヘビが冷たいというわけではなく、単に体温維持機能が少ないだけではあるが、人間は自己中心だから、こんな名称を付けてしまう。
そういう意味では、でんでん虫、いや全然無視は、ヘビ以上に冷血であろう。
なお、ヘビの古音と思われるヘミは、キリスト教やイスラム教、それらの親のユダヤ教の聖書に出てくる、日本語でイブと音訳される初めの女性の音や、それを誘惑したとされるヘビの古代中東語(アラム語など)に、密接に関係している可能性もある。
hemi→hewi →hewy →hewya →ewya →ewa →eva →eve

VIRGIN AND CHILD WITH ST.ANNE
1499-1501
National Gallery/London
Leonald da Vinci