おとり捜査と寿司屋の閉店 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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先日、私が勝手にソウルフレンドと決め込んでいるサンタモニカのブロガーさんが書いていらした、アメリカ西海岸の寿司屋さんが閉店した。


これは捜査官のおとり捜査にまんまと(不幸にも)引っ掛かり、絶滅危惧種とされるクジラ肉を出したためである。


このおとり捜査には、裏で和歌山のイルカ漁を避難した映画を作った会社も関係しているらしい。


真相は、この動物愛護だか、クジラ漁反対グループだかが、捜査当局に耳打ちし、当局も動かざるを得なくなったと考えるのが普通だろう。

何もなしに、当局はたかがクジラ(しかし、これはヒスパニックの方々などより、アメリカでは大切かも知れないが)料理を隠れて出す店程度にかまっていられないはずだ。


それなら、実入りのあるアルバイトに精を出した方がよいだろう。






ところで、このおとり捜査というやつは、日本では馴染みがない。


敢えて悪の甘い汁を飲ませて、ほら、お前さんは罪人だ!とするわけである。


こんなことしたら、縦社会の日本などは、ほとんどが罪人になってしまうだろう。


警察や新聞に限らず、一般の会社でさえ、赤いものでも白いと言ったなら、白いのである。


中国の話に、馬鹿の由来を紹介したものがある。

国の実権者が、名前だけの皇帝に鹿を見せて、馬だと紹介する(逆に、馬を見せて鹿だったかも知れない)。

皇帝が、いやそれは鹿だろうと言う。
実権者は、周りにいる大臣連中に、馬か鹿かを問う。
ここで、皇帝と同じく鹿だと言った者は、翌日の朝日が拝めなくなった。



日本社会は、いまだにこの空気が生きている。


だから、かなりの日本人は、おとり捜査に引っ掛かり、お縄になるだろう。



さらに、アメリカには司法取引なるものが存在する。
実際は、日本にもあるかも知れないが、それはむしろ悪のイメージがあるから、とても公開できない。






歴史の中で培われた風習を、右へならえするのは難しい。


それが簡単なら、中東の数千年にわたる戦争は起きていない。




おとり捜査で閉店。

私にはむしろ、汚い手におちた、被害者にさえ思えてしまう。