中国では、佛跳なんとかと呼ばれているものである。
なんでも、修行中の坊さんが、その匂いに我慢できず、垣根を飛び越えてやって来た、といういわれがあるらしい。
実は、我が家にも匂いに引かれたわけではあるまいが、年越し蕎麦を食べたいという坊主がやって来て、今二階でキャーキャー騒いでいる。
あそこのじっちゃまを持ち上げれば、今夜の夕飯うーいた、の類いと分かっていても、ついつい、また買い出しに出てしまう爺。
以前、あるブロガーさんが紹介してくれたハヤシライスをご馳走したら、“まるでレストランみたい”なんていう言葉を真に受けて、一人ニヤケてしまっているから手におえない。
で、坊主(黄色い声の者1名含む)4人でやって来たわけだ。
おそらく、今日は明け方までキャッキャやっているのだろう。
と、
イヤー、
ダメッ。
見ないで、見ないで!
イヤー、ダメー!
の黄色い声。
こりゃ!
なんばしよっと! ! !
と、二階に駆け昇ろうとはした。
はっ、なんだ。ブタじゃん。 なーんも、なしかい。
ずるい。
見ちゃダメ!
なーんだ。
カードで遊んでいるんかい。
紛らわしい声出してくださるな。
とにかく、坊主4人追加となれば、とてもスープも麺も足りない。
多分連中は、2、3人分は平らげるだろう。
ということで、20人用の特大オデン鍋にし、材料を買い出しに行く。
あまり時間がないから、牡蠣、ホタテ貝柱を買い、しいたけ20本、鶏ガラも新たに加えて、スープの作り直しだ。
味の調整が面倒なので、ポン酢でごまかそう。
ずいぶん味が変わってしまったが、中身は豪勢になった。
ちょっと見ると辛そうだが、全く辛くない。
日本のスープでいうと、牡蠣鍋に近いが、見た目に反して、あと少し透明感のある、いささかお上品な味である。

コラーゲンが豊富なせいか、しばらく置いておくと、表面に薄い膜ができる。

連中が年越し蕎麦を食べるのは、真夜中になるだろう。
また、温めなければ。