峠道一つ峠を越えれば、またつづらおりの登りが待っている。 使い古された表現だ。 本当の峠は、どれ程の勾配だったのか、その後どれくらいの登りがあるのかがわかる。 が、心の峠は、それが急な登りだったのか下りだったのかが分からない。 いや、峠だったのか、平坦な道だったのさえ分からない。 また、巨人ならひとまたぎの山も、ハツカネズミには、えらくしんどい行程なのである。