先の記事で、カッパに似た音(kp音)は、原始時代から被り物などの共通語だと書きました。
さて、それでは、このkp音が、昔から、また世界中で皮や被るもの、さらには被るや覆い包むなどになっている例を挙げましょう。
たぶん100や200はすぐに見つかるはずです。
ここでは、その代表的なものに絞ります。
()は、言語です。
【皮】
①皮を意味するkp音及び類似音
カプ(アイヌ)
コプ(朝鮮)
コプ(マレー)
コッパ(ネパール)
コピ(メラネシア)
ガベグ(タタール)
カヴァ(スオミ)
カワ(日本)
ケウェル(マヤ)
クシュ(シュメール)
②kpのk音が脱落して、p音が残ったもの(意味は、すべて皮)
ピ(中国普通)
ペイ(中国広東)
ペレ(イタリア)
ピェル(スペイン)
ポ(フランス)
ヒ、ピ(日本、ただし、もちろん中国語由来)
【被るもの、覆うもの、覆う】
カパ(ポルトガル)外套
カプ(フランス)外套
キャップ(英語)帽子
カパク(ルーマニア)蓋
カポットゥ(ルーマニア)ガウン
カピ(ドイツ)帽子
ケピ(フランス)帽子
コペルチオ(イタリア)蓋
カブル(日本)被る
カブリル(ポルトガル)覆う
クブリル(スペイン)覆う
カバン(日本)鞄
カバン(フランス)外套
カブリ(古日本)冠
カブト(日本)兜
コーバ(ヘブライ)兜
カフ(古日本)甲:覆うもの
カヴァア(英語)覆う
★補注
寒いがサブイと発音されるように、m とb の音は、世界中で混同、変化しあいます。
これを知っていると、言葉の変化を考えるときに、たいへん面白いことが分かったりします。