
って、以前にも書いたでしょうよ。
忘れましたかいな?
えっ、覚えてる?
なら、なんで同じことを何度も訊きますかいな。
はっ?
気色悪いこと甚だしいってか。
そうざんすか。
ほな、ふてくされて寝ますよって、 ほな、さいなら。
なーんて、聞き分けがいいはずないでしょよ。
そうかい。
そんなら、いいか。
よーく耳の穴をかっぽじって聞いてくだされ。
聞いたからには、ちゃんと用意しておくんなましよ。
まずは、ビールで喉を潤してから考えますかい。
そうじゃ。
まずは、ビールをいただこう。
うんにゃ。そこらの自動販売機に売ってるヤツじゃダメ。
白神山地の奥深く、何千万年も生き長らえた、こだま酵母菌で発酵させたものにしてもらおうかな。
麦は、北海道十勝平野で5キロメートル四方無農薬の土地で育てたもの。
ポップは、甲府盆地産のものとしますか。
さて、突けだしは、4月初めに18歳のお嬢さんが、ほっぺたを紅くしながら象潟から採ってきたジュンサイと、9月の満月の夜に、太湖から採ってきたメスの上海カニの味噌。
これでお腹を刺激してから、さて前菜といきますかい。
サラダは、ロードス島産のオリーブオイルに、二週間ほど漬けたスカンジナビア産アンチョビと、ニュルンベルグ生まれローザンヌで育てた牛から作った生ハムをトッピングした、レタスとグリーンアスパラサラダ。
レタスは北軽井沢のもの、アスパラはシラス台地のものを使おう。
さて、ここで飲み物を変える。
イタリアワインやアメリカ西海岸のワインは、かなり個性が強くあたりはずれもありそうなので(誰かさん、ごめん)、平凡だが、まあ、がっかりすることの少ないと思われるローヌの赤にしよう。
そうさな、飲んだことはないが、名前が秘密めいているエルミタージュの5、6年ものでいいだろう。
本当は、メドックの73年ものあたりを頼みたいが、私の舌は、その旨さを理解できそうにない。
あまりにもったいないことは、いくら食べさせていただくにしろやめておこう。
さあ、ここでチーズに出ていただこう。
ジュラ山脈南端、アイン県のブルーチーズ。
このチーズは、日本でよく売られているブルーチーズに独特な、いやらしい香料を入れていない。
チーズそのもの、アオカビそのものの味が楽しめる。
ここら辺から、少し重いものに移って行こう。
長白山麓で採れた落花生くらい大きな松の実と、伊勢湾で採れたナマコを干し、戻したものを、ホータンブドウの種から絞った油で炒め、沖縄近海の塩を軽くまぶしたやつがいい。
はっ。
ここまで書いていたら、お腹がいっぱいになってきましたな。
尻切れトンボになりますが、今宵はこれにて。
今日は、そうだ、メリークリスマスでした。
まあ、日本ではクリスチャンが少ないですから、こんな日にも仕事をしたり、どんちゃん騒ぎをしたりするんですなあ。
かく言う私も、これが公開される時刻には、まだ家には着いていますまい。