【小説】見知らぬNo.----アレの続き | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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茶褐色のオーク製の重いドアを開けた。


私の好きなエチオピア・キリマンジャロの酸味ある香りの上に、重く香辛料に似たマンデリンのにおいが重なった。


と、私の身体が、しばし固まる。


黒く、どこまでも澄んだ瞳だった。


私はその瞳に吸い込まれそうになる。


言葉などいらなかった。




それは、第三者が見てもわかったろう。





私たちはずっと見つめあった。





ハーッ、というため息にも似た声のようなものが出る。






そうだ。

あの一瞬の留守番電話に残っていたのも、そんな声だった。

しかし、そのあとのひどく荒々しい、怒りいっぱいの男の声が聞こえたあと、すぐに切れたのだ。








私は、もう一度、彼女の全身を見つめた。



と、彼女は何を思ったか、急に店の電話に走り、受話器を取り上げた。


器用にプッシュボタンを押す。














と、


あの怒号が聞こえた。






コラーッ。
また、電話で遊んで。

ダメだって言ってるだろ!









男は私に気づいてか、急に声を改めて言った。



お客さん、すいませんね。
何か悪さでもしませんでした?





で、何をお召し上がりで。







私はキリマンジャロがやって来るまで、そのチンパンジーの黒い瞳を、もう一度見つめ直した。









ぎゃはっは。

妖しい話を期待した方、残念でした。








さて、今日は最終ですなあ。


コメ返しは、かなり遅れるかも。




ごめんちゃいです。