
この映画が制作されたのは1962年。
ここにいるブロガーさんのほとんどは、まだ生まれもいなかったろう。
日本では、テレビで放映されたのは、おそらくその7、8数年後のことではなかろうか。
放映と同時にたいへんな反響があり、一時はシベールブームとも呼べる時期もあった。
まだ小学生くらいの、母親の雰囲気をもった小悪魔的な少女と、戦争で精神を病んだ、子どものように純粋な元兵士との、はかなくも美しい恋(いや、恋というよりは不思議な関係というのが正しかろう)の物語である。
この二人には、年の差というものが存在しない。
不思議なことに、この映画のラストシーンを、先ほどまですっかり忘れていた。
覚えていたのは、シベール役の少女の愛くるしさだけだった。
時はやはり、面倒な記憶を消してくれるものらしい。