こんな話を聞いた。
ある小説家の作品が、某大学入試問題に出た。
この小説家が問題を解いたところ、正解率は45%だった。
彼は解説を読んで、こう言った。
“ふーん。俺は、そういう心情なのか”
こんな話を聞いた。
A君(日本史ドクターコース)が、日本を代表する日本文化学者にこう尋ねた。
“先生、C氏はM氏の兄ということですが、何歳年上なのですか?”
学者はしばらく黙っていたが、静かにこう言った。
“君も、もうすぐドクターだ。世の中にはね、尋ねてはいけないことがあることくらい、そろそろ分かっていいのじゃないかね”
こんな話を聞いた。
“先生、中国の残留農薬が話題になっていますけど、国内生産物の、残留農薬規則は、何を見ればいいんですか?”
“…………”
こんな話を聞いた。
“東海地震の警戒発令が不発に終わった場合には、兆単位の経済的損害が見込まれます。その場合の補償はいかがなされるんですか?”
“…………”
“まさか、それを恐れて、警戒発令を鈍らしたりしませんよね”
“…………”
こんな話を聞いた。
“雨になりましたなあ”
“はあ、雨ですなあ。ちょうどよいお湿りですなあ”
“晴れましたなあ”
“はい、晴れましたなあ。洗濯物も乾きますなあ”
“雪になりましたなあ”
“はあ、雪ですなあ。みんな真っ白で、黒いものも見えなくなりましたなあ”
“はあ、そうですなあ。でも、春になれば、また、黒い土が見えてくるでしょうなあ”
“はあ、そうですかなあ。しかし、それまでに、忘れてしまうかも知れませんなあ”
“それにしても、穏やかな天気ですなあ”
“はあ、そうですな。朝に大風、昼からは土砂降り、夕方は雪と、1日楽しめますなあ”
“ほんに、さようで”