
いいですか。
まず、海の宝物を探すことから考えましょう。
最低必要なものはクルーザー。
しかも、金属探知機、ソナーがなかったら、今どきの宝探しは話になりません。
かつ、海底の砂を吹き飛ばすブローワー、潜水器具、引き揚げ用クレーン、位置確認用GPS,運良く宝物を探しあてた場合に、その所有権や公機関とのやり取りに関わる弁護士、作業員の給与……。
これだけで、最低年3億。
少し性能の良いものや、大型船、機材を用意したなら、あっという間に10億がとんでしまう。
さらに、場所によっては、そこの顔役へのお土産、あるいは海賊対策用の武器、傭兵が必須となるだろう。
だから、海での宝探しをしたいなら、10億、20億無くしても笑っていられる必要がある。
つまり、普通の小金持ちでは無理だろう。
では、山はどうか?
日本なら、せいぜい地主へのお近づきの印と、地方自治体への届け出、トラックやクレーン、採掘機などの機材と、酸素送風機などでなんとかなるだろう。
それにしたって、中古品でも1000万ではとても無理だ。
だいたい、日本の野山はほとんど掘りつくされ、何かが出てくる可能性は極めて低い。
では、海外はどうか。
これは海以上に危ない可能性がある。
例えば、ソロモンの秘宝など、はるか昔から世間を騒がせているものは、仮に運良く探しあてたとしても、翌日に朝日を見られるかどうかの保証がない。
また、幸運にも、翌日に深呼吸をできる体であったとしても、夕方まで息をしていられるかどうかが不安だ。
万が一、それらを掻い潜っても、宝物を自国に持ち帰ることは、ほとんど不可能だろう。
だから、現在の宝探しは、欧米のリッチマンによる、“海”のそれに限られている。
と、あまりに夢のないことを書いてしまいました。
お詫びに、身近で行われている本当の宝探しの話をしましょう。
皆さんの使っているPCには、緑色の基盤に金色の細い線が縦横無尽に走っているのをご存知でしょうか。
メモリー増設などをされた方ではなくても、どこかで見たと思います。
あの金色の線は、実はほぼ純金です。
ですから、一部の業者の方は、基盤を集め溶融し、金を取出しているようです。
金は、非常に薄く伸ばせる金属ですから、1台のPCから取出せる金など、それこそ耳掻き1匙にもならないでしょう。
が、まさに“チリも積もれば山となる”。
かつて、そんなことをしている業者さんが、金の延べ棒をお持ちだと聞いたことがあります。
なお、この作業で一番多い材料は、パチンコ台だそうな。