
若い女の子の声がした。
うん?
うちには、娘がいたかいな。
とうとう、自分の娘の存在までわからぬボケ爺になってしまったのか?!
私は、少しばかり混乱した。
息子のガールフレンドだった。
よかった。
まだ、あまりボケていないらしい。
うん?
しかし、“ただいま”って何だ?
やっぱり、娘で私がわからなくなっているだけ?
うーん。
わかりません。
しかし、最近の子はすごいですなあ。
ちいとばかり、この野郎と思ったり、いや、俺ができなかった分まで恋をしろよ、なんぞと思ったりもする。
が、間違っても、“パパにも、何人か紹介しろ”なんぞとは言わない。
私より温厚で大人の息子だが、多分張り倒される(笑)。