
衣替え
実はこれ、日本人を説明するのにすごくいい例なのです。
6月の夏服への衣替え、あるいは10月の冬服への衣替え。
ごく普通のことと思っているこの行事。
考え方によっては、すごくおかしいことなんですね。
というのは、6月でも肌寒い日もありますし、寒がりの人や、効きすぎるクーラーが嫌な人は、7月になっても長袖でいたいかも知れません。
また、最近の暖冬で11月頃の小春日和に限らず、お正月近くでも暑く、半袖でいたい場合もあるでしょう。
一方で、真夏の日差しが激しい時なのに、黒のスーツにネクタイなどと訳の分からない格好をしたりもします。
ところが、日本人、いや、正しくは、日本に住む日本人の場合には、特にサラリーマンなどにとっては、衣替えは重要なものであったりします。
また、公立の学校などでは、そのための服装検査さえ行われたりします。
おそらく外国に住んでいらっしゃる方、特に欧米や東南アジアに住む方には、衣替えは奇妙な風習と映るでしょう。
欧米人の多くは、寒いと感じたならそれなりの服装をすることは当然だと考え、他人によって制約を受ける、ましてや軍隊でもないのに、服装の統一化をするなど考えられないことだ、と思うからだと予想されるからです。
こうした、季節による服装の制約は、古くは奈良、平安時代にさかのぼれそうです。が、庶民に浸透したのは江戸時代、徳川幕府が民の服装や食べ物にさえ口出しするようになったあたりからでしょう。
いずれにせよ、今も個人主義というものがほとんど理解されず、場合によっては利己主義と置き換えられてしまっている日本では、衣替えに反対する人はいても、衣替えについて考える人は少ないかも知れません。
私は、滑稽な風習とは感じつつも、ある意味では日本的なこそばゆい快感に似たものも感じています。
ただ、この衣替えと、いつまでも、すぐ熱くなりすぐ冷めてしまう日本人の特質、噂に躍らされダイエットにいいとマスコミに流れたとたん、スーパーから納豆が消えてしまったりすることが関係あるのだ、ということはお考えにはならないのでしょうな。
いや、それを関連付ける、私がおかしいのかも知れませんなぁ。
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