
実は、最近、ほとんど料理をしていないのである。
本来なら、この時期にはすでに何度も秋刀魚料理をしていなければならない。
が、この秋はまだ一度も料理していないのだ。
理由はさておき、自慢できることではない。
ですから、これからの話は、もし料理するならこんな風にしたいものだという、まあ、願望のようなものなのである。
秋刀魚と言えば、まずは塩焼きだろう。
徳川8代将軍吉宗が、“秋刀魚は目黒に限る”と言った、とまことしやかに語られるように、秋刀魚は七輪あたりでの炭火焼きがうまい。
ガスレンジやオーブンでも焼けるには焼ける。が、炭火と石や七輪の陶器から出てくる赤外線の量の違い、焼けるときに落ちる脂の違いからか、やはり外でうちわでもパタパタしながら焼く秋刀魚が、一番うまいような気がする。
食塩やスーパーなどで売っている調味塩ではなく、塩専門店で、やや甘味がある塩を手に入れたいが、まあ、普通の塩で我慢しよう。
これに、辛みのある大根おろしを付けたいが、スーパーでは手に入られないから、普通の大根おろしを付けるか、そのまま口に入れることにしよう。
でもね、新鮮なら、刺身が一番美味しくいただけまする。
まあ、海の近くでもないと難しいでしょうけれども。