“チッチ、キチクロウ・チッチ。ムアン!(鳥だ。でっかい黒い鳥だ。神の鳥!)”
今からおよそ3300年ほど昔のことだ。
ア・イヌヒットの末裔たちが住むユカタン半島(中米メキシコ南部とグァテマラにある半島)の東の海に、巨大な黒い陰が現れた。
それは、エジプト・アマルナ(ツタンカーメンの父によってなされた大宗教改革:エジプト古来の多神教を廃止しアテン神のみを信仰対象とした。ツタンカーメンは、トゥトゥ・アンク・アメンに近い発音だが、本来の名前はトゥトゥ・アンク・アテンであり、アテン神をその名前に入れている)による迫害から逃れた、はるか東、太陽の昇る大いなる地からやって来た浅黒い肌をした人たちだった。
アマルナ宗教改革は1代のみの大失敗に終わり、トゥトゥ・アンク・アテンも昔のアメン神信仰へ戻らざるを得なくなり、トゥトゥ・アンク・アメン、日本ではツタンカーメンという名の王になる。が、アマルナ時代自体を歴史から消去されてしまったために、ツタンカーメン王の名もまた、エジプトの王名表から消されてしまった。
それがゆえに盗賊の被害にあわず、唯一原形に近い形で、その装飾品の数々現代に日の目を見るという皮肉な、あるいは幸運を得たのである。
しかし、それは少し後のこと。
エジプトの地を追われた多神教を信仰する集団は、西の地の果てに逃げざるを得なかった。
というのは、東の海はヒンドゥまでエジプトの力が及んでいたし、南は宿敵ヌビア、北は赤銅色の海の民フェリシテの地だったからである。
フェリシテ人たちは、ミケネ、ロードス人たちと手をあわせ、アフリカと北の大地の間のエーゲ海から西の巨人の砦までを勢力下に置いていた。
彼らは、巨人の砦から西にある伝説の大地(プラトンがソロンの話として、エジプトの神官から聞いたという:SF小説に出てくるアトランティス)へと踏み出す他はなかったのであった。
蛇足になるが、アマルナ宗教改革に失敗し、その王名さえエジプトの歴史から消された王家の一枝は、唯一無二の神の信仰を守るべく、潮の干満の差が大きく馬車の踏み込めぬファイユーム湿原を抜け、シナイ半島南部にある火山を抜けて、その後“約束の地”に移り、今に続くフェリシテ人との戦いの日々を送ることになる。
かなり方向がずれてしまいました。
次回につづくかな?