甘い生活 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

しま爺の平成夜話+野草生活日記

世間を少しばかり斜めから見てしまうしま爺さんの短編小説や随筆集などなど
★写真をクリックすると、解像度アップした画像になります。

私は静かにドアを閉めた。



そのスタイルは、お世辞にも素晴らしいとは言いがたいものだった。

いや、むしろずんぐりむっくりで、どんなに目を凝らしても、ウェストのくびれはおろか、肩幅よりも広く丸いお腹があるだけだった。

さらに、サメ肌というわけではないが、その皮膚も決して白魚のようでも、餅や雪のようでもなかった。


しかし、その体裁の上がらない、どこかとぼけたような風貌は、むしろ好感を与えこそすれ、嫌悪感やうっとうしさを与えることもなかった。


食べてみたい。

心底そう思った。

世間体など気にしてどうする。


いい年こいた爺さんが、こんな時間に何考えているんだ!

そんな笑い声なんか気にするか!



私は、そっとその大きなおでこにキスをした。

本当は、その丸いお腹をなめ回し、脚と思われるあたりの曲線を楽しみつつ、じっくりと味わいたかった。

が、私は欲望には勝てなかった。


と、ドアの隙間から差す、非難めいた冷たい視線を感じた。

まずい!

こんなところを息子に見られようとは!


たい焼きって、どこから食べますか? ブログネタ:たい焼きって、どこから食べますか? 参加中


パパずるい。 


一人だけ、たい焼き食べるなんて!