
スフィンクスの前足からオシリスの三ツ星が昇ってきた。
イアウは、太陽神ラーの息子であり、2つのターウィーの王であり、かつマアトの言葉の実践者でもある、その金髪の男に言った。
まもなく恵みが砂漠にやって来ます。
ナハルの豊かな洪水の時期を知るイアウは、魔法使いだった。
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8カトゥン3キン。
天文台にある石灰岩に、黒ヨウ石の鋭い歯がたてられた。
あと3日か。
ポポルは金星暦を見て、もう一度計算を始める。
キチュに537年ぶりの皆既日食が訪れる。
予言が正しいことが証明された3日後、彼は3代目の大魔法使いとなった。
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その汁は、男が想像さえしたことのない味がした。
体全体に力がみなぎってくるのがわかる。
女はそれを『みそしる』と呼んだ。
男はどうしてもその作り方を知りたくなり、約束を破って厨房を覗いた。
と、なんということだ。
女は瓶の中にあるドロドロしたものを、菜とともに汁に入れているではないか。
おのれ、ワシを計ったな。けつから出たものなど食わしおって。
怒ったスサノヲは、大気都比売(おおけつひめ)を切る。
と、女の手から黄色い豆がこぼれ出てきた。
それは見たこともない大きな豆だった。
スサノヲはそれに『大いなる豆』と名付けた。
後に大豆から味噌ができることを知ったスサノヲは、大気都比売を魔の使いから神に昇格させた。
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私は神の声を聞きました。
神はおっしゃいました。
今の教会の教えは間違っていると。
女は魔女として火あぶりにされた。
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魔法使いとは、場合によっては真実を語る者のことを言うのである。
私が知りたい真実。
それはあまりに多過ぎて、紙面が足りない。
おまけ。
魔法使いの小間使い:かはほり
