日本の神様には『命』または『尊』などと書いて『ミコト』と呼ぶ尊称が付けられます。
スサノヲノミコトとか、アマノウズメノミコト、あるいはオオクニヌシノミコトのように、その例はそれこそ八百万(やおよろず)、枚挙にいとまがありません。
さて、ではこのミコトとはどんな意味でしょうか。
比較的簡単に思いつくのは、ヘブライ語のMLKTでしょうか。
MLKTとは油を塗られた者のことです。
ヘブライ語を知らない方でも、クリスチャンだったり、クリスチャンでなくても私のように何にでも首を突っ込む趣味のあるかたなら、ここまで書けばあとは必要ないかも知れません。
中東などで『油を塗られた者』とは特別な意味を持ちます。
多くの場合、油とは聖油を意味し、それが塗られたということは、正当な家の継承者、あるいは部族なり国の主になるということです。
しかも、間違って他人に塗ってしまっても、もうやり直しはききません。
さて、このヘブライ語のMLKTの原点は、どうもエジプトにあるような気がします。
中東などの多くの国々、また大部分の欧米諸国は一神教です。
この一神教の元となったと思われる宗教が、皆さんもご存知ツタンカーメン(より正しくは、トゥトゥ・アンク・アメン)の父親時代に生まれています。
有名なモーゼのエジプトからの脱出(エクソダスと和訳されることもある)は、旧約の年代と少しズレますが、どうもこの時代の後のことと思えてなりません。
(一般的には、エクソダスはエジプト最大、最強、最長寿のラムセス2世あたりと言われている。しかしながら、アブシンベル神殿に代表される、)史上最大の建築王ですが、その遺跡の中にモーゼらしい記述はないようです。
もし、モーゼがこの時代の人物で旧約にあるようにエジプト王の義兄弟なら、これは不思議な話です。
とにかく、神殿造りの職工の生活さえ記録があるらしいのに、どうしたわけでしょうか。
主に考えられることは2つ。
一つ目は、モーゼはその時代の人物ではなかったこと。
もう一つは、その時代に確かにいたが、ツタンカーメンのように、あえてすべてを抹殺されてしまったかです。
実はもう一つの考えもできますが、それは物議をかもしだすので置いておきましょう。
さて、このエジプトでもMLKTには油の意味が存在します。
多分、現在に残るヘブライ語のMLKTの直接の祖先は、このエジプト語かも知れません。
ただ、そのさらに大もとは、今臨戦下にあるチグリスとユーフラテスの間に世界最初の文明を築いた、日本語によく似た構造を持つ言語を話し、八百万の神々を敬った民族のものからかも知れません。